初期研修医が仕事を早くなるために「勉強する以外に」意識しておきたい3つのコツ

研修医

春から研修医生活!楽しみだなあ

研修医

本をいっぱい買って勉強しなきゃな。

こんな人のための記事です。

研修医として就職するタイミングは、社会人になるというドキドキと医師になれるというワクワクが混じった貴重な瞬間ですよね。

この記事を読んでいただいているようなみなさんは、ネット上で情報収集しているほど真面目なので、自身でも本をたくさん読んで勉強してるようなモチベーションが高い方だと思います。素敵です!

自分も、初期研修医の頃を振り返ると、いっぱい医学書を購入して読みふけったのを覚えています。

研修医のときに本を読みまくって得た知識は、専攻医が終わっても未だに活きています。

ただし、勉強に打ち込んだ時期を経て、ひとつわかったことがあります。

それは、

勉強だけすれば仕事ができるようになるわけではない

という事実です💦

・・・いや、もちろん勉強することは大切なんです!

とっても大切なんですが、仕事をする上で何も考えず「ただガムシャラに本を読む」という行為に走る研修医が散見されていて・・・もったいない!と思います。

今回の記事では、医師として約7年間働く中で出会ってきたたくさんの上級医や後輩、同期を見て「勉強だけではなく、この習慣を意識している人は賢い/仕事が早いな」と感じたことを、自分の経験も踏まえてまとめてみました。

おちば

それでは早速いってみましょう!

目次

【勉強だけじゃない】研修医が臨床能力を上げるために意識しておきたい3つの習慣

①出来る医師を徹底的にマネる!「テンプレ作り」

初期研修医になってまずやるべきは、カルテにテンプレを作ることです。

初期研修医になると、救急外来や内科初診外来を持つことになります。

その際に、毎回ゼロからカルテを書いていくと、かなり時間がかかるし、漏れやダブリが出ることも多いでしょう。

そこで、主訴ごとに問診や検査することのテンプレを作っておくと便利です。

たとえば・・・

【主訴】腹痛

【現病歴】

ROS+)

ROS-)

・1週間以内の生もの摂取歴:

・sick contact:

・海外渡航歴

【既往歴】

虫垂炎のope歴:

腹部の手術歴:

【内服歴】

【身体所見】

【検査所見】

【アセスメント・プラン】

鑑別)感染性腸炎、虫垂炎、憩室炎、イレウス、胆嚢炎、消化管穿孔、etc

ぱっと思いつきで作ってみましたが、コレはあくまで一例です。

もしもテンプレを作る機能がカルテにないのであれば、Wordファイルなどを使って自分で作っておきましょう。

研修医

・・・いや、テンプレ作りって勉強でもなんでもなくない??

そう思う方もいるかもしれません。

しかし、侮ることなかれ!テンプレを作ることも立派な勉強なんです。

テンプレートを作るメリット

⭕必要最低限の問診や検査を取りこぼしがなくなる

⭕仕事の無駄がなくなり、スピードアップ

⭕問診項目や検査項目、鑑別疾患を暗記できる

おちば

いいことづくしですね。

テンプレを作るときのポイントは、最初から自分のオリジナルのテンプレを作るのではなく、出来る上級医や研修医の先輩を徹底的にマネして作ることです。

臨床は、いわば職人芸みたいなもの。

医学書をいくら読んでも、実戦でどう知識を使うか、またそれぞれの知識をどれくらい重視するかは経験者でなければ分かりません。

はじめからオリジナルのカルテをうまく書いたり、救急外来をうまく回したりすることは非常に難しいです。

まずはプライドを捨てて、上級医(=師匠)の芸をみて、とにかくマネるのが一番の近道だと思います。

そこから慣れてきたら、自分なりにアレンジを加え、最終的に自分の好みに作っていく。

こんなふうに、カルテ作りも診療も「守破離」がキホンです。

必要時指示など、効率重視の仕事は早くテンプレ化しておく

この「テンプレ作り」が大切なのは、カルテを作るときだけではありません。

たとえば「必要時指示」。

患者さんが入院した際にオーダーするものですが、禁忌にあたる指示を出さないのはもちろん大切ですが、かと言って毎回毎回自分でイチから考えるのはあまりにも非効率的です。

まずは上級医のテンプレをストックして、慣れてきたら少しづつアレンジするのが効率的です。

他にも、仕事に慣れてきたら

●「AKIをみたときにすること」

●「血圧低下をみたときに考えること」

など、病態をみたときにどう行動するかをテンプレとして自分なりにまとめておくのも良いかもしれません。

研修医の初期段階でまず重要なのは、動ける力>>考える力です

医師100人のうち1人しか知らないマニアックな知識を覚えることよりも、100人のうち99人が常識として知っている最低限の知識をなるべく早く身につけることが研修医にとって一番大切だと思います。

(もちろん、何も考えずに動くのは良くないですが・・・)

学年が上がっても「この人、なんか危なっかしいぞ」と思われる医師は、
全然勉強していない、というだけでなく、何でもかんでも我流でやり過ぎな傾向があるように思います。
みなさんにはこういった医師にだけは、ならないように注意してほしいです・・・

注意点:ローテ中の直接の上級医のカルテをコピペするのは避ける

カルテの書き方もデキる医師をとにかく真似ることが重要だと伝えてきました。

ただし、ひとつ注意点としては、

ローテ中の直接の指導医のカルテのコピペは避ける

ようにしましょう。

研修医

え、さっきは真似しろって言ってたのに。真似しちゃいけないんですか?

たしかに指導医のカルテは必要な情報が揃っていますし、必要な情報が書いてあるので、そのまんまコピーしたくなってしまいますよね。

しかし、

指導医のカルテのコピペ=自分で考えてカルテを書くのをめんどくさがっている=「やる気のない人」

と捉えられるリスクがありますので、気をつけましょう!

おちば

それでも書き方で困った時は、同じ診療科の別の指導医のカルテを参考にして作るのがいいかもしれませんね。

意識したいこと①上級医を真似して、テンプレ化

デキる上級医を探し、真似することから始める。

テンプレを作ることで、早く実戦で使える人材になる。

必要時指示や処方例などもテンプレ化して自分でまとめておく。

いくら真似するとしても指導医のカルテをまんまコピーするのは❌

②気の知れた仲間との「症例の雑談」

2つめは、

おちば

研修医の同期と「症例についての雑談をする」

です。

以前、こちらの記事でも書きましたが、「雑談」は知識を得るのにとっても効率的です。

研修医

雑談?そんなことしてる間に仕事したほうがいいんじゃないの??

おちば

実は、そんなこともないんです!以下に、雑談の効果を説明しますね。

雑談の効果① アウトプットすることで知識を定着させられる

同期との雑談をすると、アウトプットになり知識として定着しやすくなります

国試の時期、自分で覚えようとして何回も本を読んでもなかなか頭に入らないのに、人と1回話しただけでエピソード記憶として残るという経験は、医学生の方なら誰しもあるのではないでしょうか?

おちば

あれめっちゃ不思議ですよね。

人と話すことは、それだけで自分の知識や意見をまとめる練習になりますし、脳に「この知識、必要なんだな」と思わせることで定着に結び付けられるのでおすすめです。

雑談の効果②「知識との距離感」をうまく取れるようになる

同期の間で症例を共有したり、お互いの知らないことをぶつけ合うことの最大のメリットは、

研修医の立場で最低限これは知っておいたほうがよさそう」というレベルを確認できることです。

医学の知識は無限に近いです。

本をいくら読んでも「実戦に即した知識かどうか」「みんなの共通認識として間違っていないか」という点(=知識との距離感)は、実際に働いたり話したりしてみなければ分かりません。

たとえば、研修医半年くらいが経過した時点で、同期5人中4人が知っていることであれば、必ず知っておいたほうがいいでしょう。一方で、5人のうちだれも全く知らない知識なのであれば、(よほど同期が勉強不足出ない限りは)それは「知る必要度がそこまで高くない」と判断してもいいと思います。

このように、自分の周りの人との交流をすることで自分の身につけるべき知識を客観的に捉えることができるようになると思います。

雑談の効果③ 同期はコミュニケーションがしやすい

ここまで来て、

研修医

会話が大事なのは分かったんだけど、それなら知識のまだ浅い同期より、いろいろ知ってる上級医に聞くほうがいいんじゃない?

と感じる人も多いと思います。

確かに、上級医の知識のほうが正確ですし、質問に対して深い答えがかえってくるでしょう。

しかし、分からないことを上級医に聞くときはメリットばかりではありません。

質問を上級医にするデメリット

▲しょうもない質問をしにくい

▲上級医によっては説明が雑 or 詳しすぎて研修医にわかりにくい

▲上級医に気を使うせいで、理解できなくてもとりあえず「わかりました!ありがとうございます!」で終わらせてしまうことがある

など、気を使うことによるコミュニケーションコストが多くなってしまうことがあります。

一方で、同期とざっくばらんに雑談する時は、いい事づくしです。

同期と症例について雑談するメリット

⭕ちょっとしたことでも訊ける

⭕精神的にリラックスして話せるし

⭕分からなければトコトン訊ける

おちば

同期から見ても、アウトプットすることで理解が深まるのでお互いにWin-Winですね。

雑談の効果④ 同期と仲良くなり、初期研修以降も相談できる仲に

症例のことを雑談する中で一番重要な効能は、「同期との仲」が良くなることだと思います。

僕は、医師6年目になっても自分の専門である腎臓分野以外で、分からないことに出会ったときや、ちょっとしたアドバイスがほしい時は、まずは同期に確認するようにしています。

こういった人間関係は一生涯続く仲なので、大切にしたいですね。

おちば

何でもきける・何でも話せる同期、priceless…!

注意点:同期との雑談で得る情報は、あくまで「同期クオリティ」

同期との症例雑談は、研修医生活で非常に重要なツールの一つだと考えますが、注意点がいくつかあります。

まず当たり前ですが、極端に真面目or不真面目な同期の場合、求める知識が全然手に入らなかったり、誤った知識がインプットされてしまう可能性があることです。

臨床上での経験値や知識は、上級医のほうがはるかに詳しいです。

そのため、「同期内で話しても良くわからない」となった症例や臨床疑問については積極的に上級医への相談を併用しながら勉強するようにしましょう。

意識したいこと②同期と症例の雑談をする。

雑談は、実は立派な勉強

自分の求める知識が「どの程度、重要な知識なのか」を知るキッカケになる

アウトプットすることで記憶に定着しやすい

同期と仲良くなれるのが最大のメリット

專門的な知識や重要なポイントは上級医に必ず確認を。

③あえての「担当患者以外のカルテチェック」

勉強以外ですべきこと、3つめは

おちば

あえて「担当患者以外のカルテチェック」をルーチン化する

です。

具体的には、

①自分の病棟患者の指示出しやカルテ記載が一段落

救急外来のカルテをチェック

③(興味があれば)ローテ中の診療科の、自分の担当以外のカルテをチェック

をルーチンに組み込むのがおすすめです。

担当外カルテチェックの効果① 知識が増えるし、同期との症例の雑談のネタになる

研修医

ただでさえ忙しいのに、担当してる以外の症例なんて見るの面倒だし意味ないでしょ・・・

と思うかもしれませんね。

しかし、他の担当患者のカルテを、自分が担当するとしたらどういう診療をするか?というイメージでのぞいてみると、

●この症例、こんな治療方法なんだなあ

●この症例、こんな薬出してしまって大丈夫なのか・・・?

など、色々と発見や疑問が湧くはずです。

参考になる分かりやすいカルテであれば、前章①で紹介したようにマネをしてテンプレを作ってもいいでしょう。

さらに、その症例を担当している研修医と話せる機会があれば、前章②でお伝えしたように「同期との雑談」での症例共有をしてもいいかもしれません。

「いや実はこの症例、こんな背景があってこんな治療してるんだよ」みたいなことを聞けて、答え合わせができることも多いです。

このように、他人の症例をみるだけで、自分の経験値として蓄積されていくのです。

担当外カルテチェックの効果② カルテめくりが速くなる

さらに、いろんな症例のカルテをみることで「カルテめくりの速さがスピードアップする」というメリットもあります。

たとえば、僕は研修医の頃、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)に所属していました。上級医の指示を受けて血液培養陽性の症例(数十例)を毎日片っ端からカルテチェックしていきました。たくさんの患者のカルテをみる場合、ダラダラ見ていると、かなり時間がかかります。ある程度目星をつけて「直近のカルテを数個漁って、検査結果と画像結果をみて・・・」など見るべきポイントがどんどん分かってくるようになるので、結果として仕事がどんどん早くなりました。

おちば

ASTでの期間は1年程度でしたが、いまだに自分の仕事に生きている経験のひとつです。

「人のふりみてわがふり直せ」は、医師が一生持つべき精神

研修医として働いている間は常日頃から指導医がチェックしてくれますが、専攻医になって、専門医になって・・・と学年が上がるにつれて、自分の診療を客観的にチェックしてもらう機会はどんどん減っていきます。

客観的なチェックが入るという意味では「カンファレンス」が重要ですが、上司によってはカンファはそれなりにストレスを伴うことも多かったり、機能していなかったりすることも少なくありません。

そのため、日頃から「人のふりみてわがふり直せ」精神で、他の医師のカルテを見るととても勉強になります。

特に、初期研修医であれば「自分がこの症例を見ていたらどのように対応しているだろうか」という視点でみるだけでも全然違ってきます。

今後も医師という職業は常に勉強を継続し、仕事内容も効率化していくことを目指す必要があるはずです。

「他人の失敗(や成功)から学ぶ」というスタンスを身につけるという意味でも、この学び方は有用だと思います。

担当外カルテチェックの注意点

最後に、注意点です。

プライバシーの問題で、病院側から担当医以外のカルテチェックはしないほうが良いといわれている場合があります。

そういった場合は、あまり不必要にカルテ閲覧をしすぎないほうが良いかもしれません。

ただ、自身のローテ中の診療科の場合、主治医不在のときに代わりに対応する可能性があるので経過をチェックしておくことは問題ない(というか見ておくべき)と思います。

さらに救急外来患者も、入院になったら自分が担当する可能性がありますので、早めに動けるようにチェックしておくという行為に特に問題はないはず。

診療科の全く関係のない症例をのぞくのは避けておいたほうが良いかもしれませんね。

意識したいこと③あえての担当患者以外のカルテチェック

カルテめくりが早くなり、仕事が速くなる

同期との雑談のきっかけになり、知識が定着しやすい

「人のふり見てわがふり直せ」ができる

まとめ

勉強以外に、研修医が臨床能力を身につけるために習慣にしておきたいこと3選

①出来る医師を徹底的にマネる「テンプレ作り」

②気の知れた仲間との「症例の雑談」

③あえての「担当患者以外のカルテチェック」

いかがだったでしょうか?

初期研修医のみなさんは、勉強が大変だとは思いますが、こういった仕事面の効率化も意識してみてもいいかもしれませんね。

僕自身、上記3つを意識するようになったのは専攻医になってからですが、初期研修医のころからしておけば・・・と後悔しています・・・

おちば

とくに、症例の雑談はめちゃくちゃ有用なので是非試してください。

●おすすめの本

・学びを結果に変えるアウトプット大全

学んだことを自分の頭の中に詰め込むより、社会人になったらどんどんアウトプットしていきましょう。

遠回りなようで、スキルを伸ばすための一番の近道です。

●超雑談力

「雑談が大事ってわかってても、その雑談がニガテなんや…」という方、めっちゃ分かります(首がもげそう)

そんな方は、空き時間に本を読んで雑談について学んでおくと、だいぶ話すハードルが下がると思いますよ!

■関連記事

・研修医の避けては通れないプレゼンのやり方についてまとめてみました。

コンサルっていう仕事は医師の仕事と違うようで、結構似た点が多いです。

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この記事を書いた人

アラサーの男性医師。内科専門医/透析専門医/腎臓専門医。
腎臓内科医として市中病院で勤務しています。
忙し過ぎる研修医〜専攻医を含め若手医師向けに、医師のキャリア・専門医試験/レポート対策・仕事のコツ・医学の勉強・資産形成などのお役立ち情報をまとめています。
仕事も家庭も大切にしたいと思うひとの力になれたら嬉しいです。
趣味は音楽、読書、公園巡り。

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