【研修医の勉強法】これは気をつけて!初期研修医が陥りがちな勉強法3選

初期研修医

初期研修始まったぞー!

毎日、勉強頑張ろう★

専攻医先生、いろいろ教えてください!!

専攻医

専攻医くん

も、もちろん・・・!

(目が輝いている・・・J-OSLERが忙しくて教える余裕が無いとか、言えねえ・・・)

目次

初期研修医の勉強方法は、学生時代と異なります。

初期研修医のみなさんは、日々忙しい診療を行う中で、勉強方法について悩んだことはないでしょうか。

医学生だった皆さんは小中高の頃から試験で戦うことを鍛えられているため、定められている試験範囲を暗記してテストで戦うことは得意だと思います。

しかし実際の職場に出ると、当たり前ですが「試験範囲」のようなものはなく、深めようと思えばいくらでも深まってしまうというのが実情だと思います。

僕も初期研修医1年目の時にその壁にぶち当たり、何も考えずにただひたすらに勉強していこうとした結果、かなりの時間と労力を使ってしまいました。笑

しかし、途中で自身の間違った学び方を修正した結果、基本的臨床能力評価試験(JAMEP)でそれなりの成果を出しつつ、楽しく研修を終わることができました。

今回は、これから初期研修に臨む研修医や学生のみなさんに向けて、僕の初期研修の2年間を振り返り、自分が陥ってしまっていた経験を踏まえ、ある程度必要な知識を効率よく得るために注意すべき勉強法と改善策を紹介したいと思います!

おちば

特に、ちょっと意識高い系の人にあるあるな失敗例を紹介します

これを避けるだけで、大失敗はしないで済む・・・はず!

これは気をつけて!!注意すべき勉強法3選

注意すべき勉強法

一人で勉強する

最初から英語の文献で勉強する

診療科を決めずにローテする

おちば

順番に説明していきますね。

一人で勉強しないで!

初期研修を始めると学年に一人はいるのが、「研修医室で一人でもくもくと勉強する人」です。

勉強することはもちろん悪いことではないのですが、初期研修を進めていくにあたって一人で閉鎖的に勉強するより、同期と協力しながら勉強するべきです。

研修医

「え、これって、国家試験の勉強の話では?」

そう思う方もいるかもしれません。

国家試験において、「マニアックな勉強に偏りすぎないように友人と一緒に勉強すべき」という言い伝えを一度は聞いたことあるかと思います。

(中には、一人で勉強して合格した人もいますがかなり少数派です)。

しかし、この「同期と一緒に頑張る」というスキルは研修医になっても大切なんです。

経験談:一人で頑張って結果を出せるのは、少数派

これは僕の経験談ですが、研修医になった直後は「同期に負けないように頑張らねば!!」とライバル心を燃やしていました。(いま考えると、同期と謎すぎますが・・・)

●休日に一人で図書館に行って勉強したり

●朝6時に起きて1時間勉強した後に病院へ行ったり

●勉強時間の確保のために飲みはほとんど断ったり・・・

など、勉強に明け暮れる毎日を過ごしていました。

幸いにも、同期がとても優しいメンバーだったので、人間関係がギクシャクするようなことはありませんでした・

(後に同期に聞くと、「あの頃お前はトガッていたな・・・」と言われます。恥ずかしい・・・)

数カ月後・・・

たくさんの知識を得たおちばは、バリバリ働き病院内にその名を轟かせていた・・・・

なんてことは全然ありませんでした。

自分は救急外来、病棟業務ともに、必要な知識を全然つけることができておらず、同期と比べて仕事はできず、毎日のように指導医に怒られるという経験をします。。。

・・・一体なぜこんなことになってしまったのでしょうか?

一人で勉強すべきでない理由①勉強範囲が分からない

1つめの原因は、勉強のしかたが悪かったこと。

実臨床で勉強する範囲は膨大です。

国試の時はある程度狭かった勉強範囲ですが、

実臨床では何をどこまで勉強すればいいかを一人で判断するのは不可能といっても過言ではありません。

細かい枝葉の知識だと思っても重要だったりすることはありますし、

逆に大切だと思って暗記を頑張った数値が実は大して役に立たなかったり・・・

初期研修医レベルでは、他の同期や指導医から情報を集めて「なにが重要な知識か」をまず判断し、その重要な点に重きをおいて勉強するのが大切なんです。

おちば

教科書に書いてあることだけじゃ対応出来ないことが山ほどあります。それを学ぶのが初期研修!

一人で勉強すべきでない理由②ローテによって同期の間で情報格差がある

ある診療科の実践を全く知らないゼロの状態と1ヶ月でもローテした状態では、経験、知識に大きい差が出ます。

・必要最低限の知識が何か

・(知識は関係なく)どう仕事すべきか

・注意すべき人間関係(上司となる指導医のキャラや、コメディカルとの関わり)

などなど・・・ローテーションしないと分からないことだらけですよね。

こういった情報は仕事をスムーズに行う上で重要になるので、同期で共有しておくに越したことはありません。

一人だけで勉強していたら、こういった情報が入ってこないため、人知れず苦しむことになります。。。

おちば

自ら情報弱者になって、気づかないうちに取り残されていたなんて、めっちゃ恥ずかしい・・・

一人で勉強すべきでない理由③一人で経験できる症例は限られている

②ともかぶりますが、自分の経験した症例を深く学ぶことは実臨床において重要なことと言えます。

しかし、それと同じくらい大事なことは、

同期が経験した症例の共有です。

初期研修医

さっき大動脈解離の患者さんが救急に来て他院に搬送してきたよ〜。

研修医

え!大動脈解離の患者さん診たことない!初期対応では何の検査と治療がいるんだっけ???

こんな風に、雑談を通じて学ぶことは大きいです。

特に救急外来などの初期研修医が主体となる場面で、

自分が経験するまで全く知らないままになってしまうのは、

かなり勿体ないです!

研修医

分からなければ上級医に聞けば良いんじゃない?

と思う方もいるかもしれません。

確かに、上級医からはより経験を踏まえた正確な情報、知識を知ることができますが、

同期のようにリラックスした状態で話せないため情報の吸収効率が落ちることがあります。

同期ならではの、ずけずけと質問しあえる関係

これが初期研修ではかなり大切だと思います。

おちば

もちろん、同期から得られた情報が正しいかどうか、一人で教科書を開いて確認するのも大事です。並行して行っていきましょう。

あなたは「悩みのガラパゴス諸島」ではない

「わからないことや悩みで、自分だけが悩んでいる・・・」という思い、したことあるのではないでしょうか。

僕も「自分の悩みは、自分の力で解決しなければ・・・」と思い込みがちでした。

しかし、自分以外の人にとっても、悩むポイントって割と同じことが多いです。

有名な本の「夢をかなえるゾウ」には、こんな文章があります。

仕事、お金、人間関係、幸せ・・・人間の悩みなんちゅうのはいつの時代も同じや。

そんで本ちゅうのは、これまで地球で生きてきた何億、何十億ちゅう数の人間の悩みを解決するためにずっと昔から作られてきてんねんで。

その「本」でも解決できへん悩みちゅうのは何なん?

自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん?

自分は悩みのガラパゴス諸島なん?

出典 ”ゆめをかなえるゾウ2″ 水野敬也 著

初期研修という環境で、どの病院の研修医もみんなだいたい同じようなことで悩んでいます。

同期に相談したり頼ったりすることは、決して恥ずかしいことではありません。

おちば

むしろ、その同期も、そこで話すことによって問題点や悩みを解決できるチャンスになるかもしれませんしね。

②最初から英語の文献で調べないで!

学生の時から

上級医

「医者たるもの、一次文献を読んでなんぼだよ!」

と、教わってきた人は多いと思います。

実際に僕も先生からそう教わってきました。

しかし、これは初期研修医の序盤では、間違いです!!

研修医

え!そうなの?

一部の超優秀な研修医を除き、就職したての時点で、英語文献に当たりまくることの優先度や頻度は低いです。

論文を読むことは、目的ではなく、手段。

誤解を招く可能性があるため強調しておきますが、原著論文を読むことは、決して悪いことではありません。

今後、働いていく上で当然必要となってくるスキルですので、全く読まないわけにはいきません。

ですが、初期研修医の時点での臨床的な疑問(clinical question)の多くは、原著論文を読まなくても解決します。

論文を読むことは、あくまで手段であり、目的ではありません

「なんとなくタメになりそうだから・・・」と論文を読むのは

「なんとなく体に良さそうだから・・・」とコンビニのサラダ食べてるのと同じくらい、思考停止しています。

昼にサラダ食べても、夜にビールとポテチ食べたら一緒です。(当たり前)

初期研修医はコスパよく、必要な知識やスキルを身につけることが重要です。

その上で、どんな疑問に対して答えがほしいのかをはっきりさせることが大切です。

「疑問の定式化」を意識する

では、どんな時に英語文献にあたり、どんな時に日本語の文献で済ませればいいでしょうか?

それは、みなさんの抱いている疑問がどんな疑問かによって変わってきます。

みなさんの抱くclinical questionには2パターンあるはずです。

background question:背景疑問
foreground question:前景疑問
  • そもそもこれは何?といった教科書的・学問的な疑問
  • 例:ANCA関連血管炎とは?
  • 例:急速進行性糸球体腎炎の治療は?
  • 目の前の患者特有の臨床に直結する疑問
  • 例:ANCA関連血管炎による急速進行性糸球体腎炎で
  • 例:末期腎不全になった患者に血漿交換は有効か?

①と②では、どちらの疑問があなたに多いでしょうか?

初期研修医が最初にぶつかる疑問は圧倒的に①のようなものが多く、

その場合ネットなどでガイドラインを調べるだけで到達できることが多いです。

研修医

そのたびにPubmedで検索して、Reviewを読んだりしていたら日が暮れちゃうね

逆に②のような場合は、

どういった患者に、何を治療したら、しなかった人と比較して、どんな結果になったか?

といったことを意識しながらRCTやReviewなどを調べていくことが大切かと思います。

こういった作業を「臨床疑問を定式化」と言います。

こんな風に、「わからないこと」の調べ方は、疑問の種類に応じて調べ方を工夫するべきです。

ぶっちゃけ初期研修医の間は、いい日本語の参考書はたくさんありますし、一般的な知識であれば日本語の書籍で大体は事足りるかと思います。

また、ただググるだけでも、J-STAGEなど、症例報告はインターネットで調べたら結構出てくるものも多いです。

おちば

症例報告の「考察」の部分を読むだけでも、ためになることが多いです

ぜひ、日本語での理解を優先して勉強をすすめるようにしましょう。

③診療科を決めずにローテしないで!

電子書籍

これは勉強法というよりは、研修の姿勢についてになってしまいますが・・・

そもそも、初期研修でのローテーションの意味は何なのでしょうか?

初期研修医

診療科の雰囲気みて将来の科を決めるためでしょ!

という答えの方も多いかと思います。

確かに雰囲気を知るのはとても大切です。

しかし、診療科ごとの雰囲気は病院によって異なり、他の病院では全く違う雰囲気かもしれません。

一つの病院の雰囲気だけで決めるのはかなりリスキーです。

他には、

初期研修医

ローテーションしている診療科の知識を、マスターしたい!

という先生もおられるかもしれません。

しかし、診療科をローテーションする中で得られる知識は限られています。(当たり前)

実際僕は、後期研修でも再度ローテーションをしてもなお、吸収できることは非常に少なかったです。

これは優秀かどうか、仕事ができるかどうか云々の問題ではありません。

有名な感染症内科医、岩田健太郎先生も次のようにツイートしていました。

感染症勉強不足の人ほど「感染症なんて簡単だ」と嘯き、3ヶ月ガチで勉強すると「感染症のことが全然分からない」レベルにまで達するという話を昨日しました。同時にこの時期には、3−5年目くらいのドクターが急に怖がりだします。これまで風邪とか熱とかに上に教わった通りの検査、約束処方とか。

岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) January 14, 2021
おちば

数ヶ月勉強して、やっと「いかに自分がわからないことが多いかを知る」というレベルなんですね。

では、貴重なローテーションの数ヶ月、どういった心持ちで勉強すれば良いのでしょうか?

自分の希望の診療科を、とりあえずでいいので決めてみよう。

個人的にはローテーションを始める春の時点で、「診療科を(仮でもいいので)決めておくこと」をおすすめします。

その理由は何でもいいです。QOLでも、収入でも、やりがいでも・・・

なぜなら、その方が圧倒的に「使える知識」を絞り込めるからです。

例:診療科を決めていない場合

例えば、糖尿病内分泌内科ローテ中に、SGLT2阻害薬を処方するとします。

将来の希望診療科が曖昧だと、

研修医

SGLT2阻害薬ってなんやろ?とりあえずPubMedで調べ尽くしてみよう

って感じで、結果として

ただ漠然とSGLT2阻害薬の種類や作用機序を調べて満足

になりがちなんですね。

(一部の優秀な先生は違うかもですが・・・)

例:診療科を決めている場合

一方で、循環器内科志望と考えていたら、

研修医

どうやら心不全に有効らしいが、どんな患者に何を注意して使うのがいいだろうか?

と調べるきっかけになりますし、

腎臓内科志望であれば

研修医

CKD患者で予後を改善するらしいけれど、何が原疾患のCKDに効くんだろうか?どのくらい腎機能を改善させるのだろうか?

など、調べるきっかけになりえます。

これらはいずれも、かなり具体的な疑問ですね。

このように、診療科を決めておくことで、その科の視点から、具体的で実用的疑問を持てます。

もちろん、途中で気が変わり希望の診療科を変更するかもしれません。

しかし「自分の将来に直接関わってくる」とその場その場で感じながら勉強することで、

より深く、より集中して学ぶことができ、結果的に、別の診療科に行っても役に立つ知識となるはず。

まとめ:

初期研修医におすすめの勉強法

一人で孤立して勉強しない。同期との知識の共有は大事。

無理して英語文献で勉強しない。日本語の教科書・文献も十分役に立つ。

とりあえずで良いので、診療科を決めてローテに臨むと、具体的な知識が得られる。

いかがだったでしょうか?

何を隠そう、この3つは、すべて僕自身が陥ってしまっていた失敗です。笑

研修医の秋くらいからでしょうか。

とっっっても反省して、

●途中で研修医の同期との学びを大切にし、

●日本語での理解を重視して、

●将来の専門科を意識するようになってから、

初期研修がとても充実したものになりました。

一生に一度、たった2年間しかない初期研修。

どうせなら大切にしたいですよね。

人によって勉強法は様々ですが、これらの心構えの部分は共通して大切になってくるかと思い記事にしてみました。

少しでも多くのみなさんが効率よく勉強し、

研修においてレベルアップする参考になれば幸いです

では!

■おすすめの本

・コンサル1年目が学ぶこと

研修医も他の職業の1年目も、大事なことは共通しているように思います。

コンサルという職業から学ぶことも多いです。

この本が好きすぎて、記事も作ってしまいました。笑

・学びを結果に変える アウトプット大全

同期と学びを共有するのは、ある種のアウトプットの形ですよね。

一人でコソ勉はせず、気軽にバンバンアウトプットして共有することで、知識の定着が狙えます。

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この記事を書いた人

アラサーの男性。内科医。一児の父。
忙しすぎる若手医師に向けて、初期研修、J-OSLER、専門医試験、育児、資産形成などのお役立ち情報を、自身の経験をもとにゆるゆるアウトプットするブログです。趣味は音楽、読書、公園巡り、電車。

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