【J-OSLER攻略】忙しい人のためのJ-OSLER講座【病歴要約の9つのポイント】

おちば

こんにちは!内科専攻医のおちばです!

内科専門医を目指すみなさんは、J-OSLERと呼ばれる制度を知っておられると思います。

でも、

「よくわからん・・・」

「時間がかかりそう・・・」

など、不安や不満は多いと思います。

僕も専攻医をスタートした時点では、わからないことだらけでした。

しかし、後回しにしてJ-OSLER留年なんてしようものなら、最悪の場合専門医になれないリスクがあります💦

そこで、僕個人が

「J-OSLERを始める前に知っておきたかった!」

と思う注意点や知っておくべきことをお伝えします。

おちば

なるべく効率よく、けれど無難に、J-OSLER乗り切っていきましょ!

★このシリーズでは、J-OSLERをする方に、僕が思う「最低限知っておいたほうが良さそうなこと」と、「それなりに無難に乗り越えるためのコツ」をお伝えします!

★そのため、「完成度の高いレポートづくり」を目指している先生には参考にならないと思いますので、あしからず!笑

今回は、「病歴要約編」です!

病歴要約を作る時に大切なことについて、述べていきます。

めんどくさくて後回しにしがちですが、ちゃちゃっと終了してJ-OSLERからの解放を目指しましょう!

※「症例登録」についての記事はこちらです

※J-OSLERの記事一覧はこちらにまとめています。

目次

J-OSLERの病歴要約で大切な9つのポイント

時間のない皆さんに向けて、結論から述べます!

大事なポイントはこちら!

①シンプルな経過の症例を選ぼう
②不明確・不適切なことが少ない症例を選ぼう
③疾患群が被らないように注意しよう
④コピペ用の検査値一覧を作っておこう
⑤検査結果は絞りすぎないようにしよう
⑥考察は、ざっくりでも良いのでイメージしてから書き始めよう
⑦考察の中身に困ったら日本語の文献を参考にしよう
⑧A4サイズ2枚にまとめよう
⑨自動ログアウトの罠に注意しよう

順番に説明していきますね!^^

症例選びについて

①シンプルな経過の症例を選ぶ

病歴要約は、症例登録とは違い「主訴」「現病歴」「入院後経過」など、正式なフォーマットに沿って作っていきます。

前向きに捉えるのであれば、将来ケースレポート(症例報告)を書いていく際の「お作法」を知るための機会って感じです。

■「お作法」の例
・句読点は「、」や「。」ではなく「,」や「.」を使う
・略語は、以下〇〇と断ってから使う(例:血漿交換(以下PE)など)
・入院後経過では診断、診断の根拠、鑑別、治療、治療に対する効果、有害事象の有無を記載し、時系列になるようにする
・薬剤は、商品名でなく一般名
・参考文献の引用の記載のしかたは統一する

などでしょうか。

おちば

このへんは、今後に活きそうな知識ですね。

しかし、J-OSLER≠症例報告です。

よく勘違いしがちなのですが、「珍しくて複雑な症例を病歴要約にすべき」という考え方はやめておきましょう。

専攻医

この症例、診断が難しかったし、合併症も多かったし、入院期間長かったし、大変だったな〜

という個人的な思い入れをレポートにぶつけたい気持ちはよーーーく分かります。笑

しかし、わざわざ複雑すぎる症例を病歴要約に選ぶのはあまりオススメしません💦

理由は3つあります。

①入院中の全てのエピソードを記載するほど文字数に余裕がない
②論点が増えすぎてしまい、考察で深堀りできない
③ツッコミどころが多くなり、revisionのリスクが上がる

今回のコンセプトは、「J-OSLERを無難に乗り切る」です。

珍しい症例だったとしても、なるべく経過のシンプルな症例を選ぶ(あるいは、長すぎる経過でも情報を絞って要約する)ことで、レポートが書きやすくなります。

なるべくシンプルな症例を選ぶ

② 不明確・不適切な内容が少ない症例を選ぶ

「シンプルさ」が重要なのは、入院中だけでなく入院前の情報についても同様です。

つまり、入院前の情報に不明点が多い症例は書きづらいです。

日常診療においては、入院時に意識障害がある身寄りのない方の搬送など、情報が少ない状況はよく経験します。

しかし、レポートに必要最低限の既往歴や病歴が分かっている症例を選ぶべきでしょう。

また、

  • 診断がハッキリしなかった(珍しい症例を疑ったが診断が当院でつかず、他院に転送)
  • 治療内容がガイドラインに則っていない(最新の論文で効果があるかもしれないと言われている、ガイドライン不採用の治療をした)

といった症例は、やめておいたほうが無難です。

病歴がハッキリしていてガイドラインに沿った治療を行った症例を選ぶ

③ 疾患群の被りに注意

同じ診療科の同じ疾患群の病歴要約を作ると一方しか提出できません。

専攻医

せっかく要約作ったのに、ノーカンになってしまった

そんな方もチラホラみかけます。

かならず疾患群が異なる症例を登録するように注意しましょう。

これについては、こちらの記事でも言及しています↓

疾患群が被っていない症例を選ぶ

検査結果について

④ 検査値(単位つき)の一覧を作っておく

病歴要約は上述したように、正式なフォーマットで書くことが必要です。

特に検査結果の一覧を記載は面倒で、単位など毎回書く必要があります。

しかし、いちいち毎回単位を手打ちするとなると、莫大な時間と労力がかかります。

そこで、1つめの病歴要約を作ったら、コピペできるフォームを作っておきましょう

※もし作るのが面倒であれば、僕の作ったテンプレを使ってみてください^^ ↓

※カルテに貼ってあるような検査結果一覧を、正式なフォーマットに整えてくれるページもあります。

LafLaboの検査結果の整形ページ

なかなか使いやすかったですのでこちらも試してみてもいいかもしれません。

ちなみに、このアプリを作ったみー先生は、「みーの医学」(https://medi.atsuhiro-me.net)というブログで国試用のゴロあわせなどを載せてくれていた方です。国試を終えた皆さんの中には知っている人も少なくないのではないでしょうか?

僕自身とってもこのブログにとってもお世話になっていました。。。

テンプレを作っておく→単位を打ち込む時間を節約

⑤ 検査結果は、絞りすぎない

内科学会の「病歴要約 作成と評価の手引き」には、

ルーチンの記載についてはすべてを羅列する必要はない.

とあります。

しかし、個人的にはある程度の量の検査結果は記載しておくべきだと考えます。

理由は2つ!

検査結果を絞るのに時間がかかる

あとでrevisionされて「〇〇の検査結果を載せるように」と指摘された時に、カルテを調べ直して貼るのが面倒

具体的な対策としては、ある程度のテンプレをまとめて書いていった上で、

⭕血液内科なら骨髄検査

⭕循環器内科なら心エコー

など、その診療科に特異的なものを記載していくほうが手間がかからなくて良いでしょうね。

検査結果は、ある程度まとめて載せる

考察について

⑥ 考察をざっくりイメージしてから作り始める

病歴要約で最も大変なのは、総合考察です。

考察でよくあるパターンとしては、「途中で何を書くか悩んでしまう」という問題。

専攻医

珍しい症例だ!コレはレポートに使わせてもらおう!

という、初期衝動だけで要約を作り始めてしまうと、高確率で「考察まで来て急にピッチが落ちる」という現象が起きます💦

これを未然に防ぐには、病歴要約を作る前に考察の内容を想定することが大切です。

ただし、細かいことまで考えてしまうと時間がかかるので、あくまでザックリでOK。

ちなみに内科学会の「病歴要約 作成と評価の手引き」には以下の記載があります。

◆総合考察◆

主病名を中心にその重症度、副病名との関連について言及し、診断および治療法選択における妥当性を簡潔に記載する. さらに患者を全人的に捉えた『総合考察』を必ず記載する. そこではプロブレム間の考察や社会的・心理的側面についても言及されていることが望ましい.

※総合考察では、単に症例の感想を述べるのではなく、症例を客観的に評価することができているかどうかが評価される.

◆文 献◆

EBMを重視し、症例に適した原著論文、ガイドライン、レビューなどを引用し、必ず文中に記載する

病歴要約の手引 より

これを要約すると、

J-OSLERの人

教科書の丸写しではなく、エビデンスに基づいた考察をしてね

ってことですね。

何でも良いので、「この症例で特筆すべきポイント」を「引用文献に基づき」書くことが求められているってことですね。

ただ、珍しい症例や自分自身があまり馴染みのない疾患について考察するのは苦難の業です。

おちば

僕は、珍しいという理由だけで神経領域でハンチントン病についての要約を作成しましたが、知識がなさすぎてめちゃくちゃ苦労しました。。。笑

逆に、胆嚢炎や心筋梗塞など市中病院では比較的commonな疾患を題材にした要約を作ってみたら、自分の興味も沸くし、考察を深められるので、意外と有意義でした。

おちば

なじみのある疾患のほうが考察を深めやすいと思います。

「珍しさ」より「考察の深めやすさ」で、症例を選ぶ

⑦ 考察のネタに困ったら日内会誌やJ-Stageを参考に

考察を作る際に、疾患について勉強するツールとして、どんなものが思い浮かぶでしょうか?

Up To Date、PubMed、はたまたレジデントノート・・・色んな答えがあると思います。

人それぞれの合った方法があると思いますが、僕は、

日本語の文献(日本内科学会雑誌や症例報告など)

を頻用し、その次くらいにUpToDateを使っていました。

将来的に自分が進もうと思っている分野なら、積極的に英語論文を読むのは賛成です。

しかし、J-OSLERでレポート作る際は、英語の原著論文を毎回調べるのはコストパフォーマンスが悪いです。

かといって、原著論文の載っていないような研修医向けの軽い本(レジデントノートなど)を引用して考察を書くのは少し浅すぎます。

そこで、日本語の文献で必要以上に詳しすぎないもの日本内科学会雑誌や症例報告が一番ちょうど良いと思います。

その中にあった英語の引用文献を孫引きして利用していくのが一番手っ取り早いです。

※研修医や専攻医が、英語の論文にすぐに手を出すべきではないことについては、こちらの記事でも書いています。

考察には、日内会誌や症例報告など日本語の文献で十分。
手当たりしだい英語論文を読むのは、コスパが悪い。
孫引きとして使うのみでOK

その他

⑧ A4用紙2枚に収まるように「PDF出力」でチェックしながら作る

病歴要約では字数制限の他に、「A4用紙2枚に収めなければいけない」という縛りがあります。

◆記述様式◆
・POS(Problem Oriented System)方式の病歴要約を作成する.
・J-OSLER 上ではそれぞれの記載項目に入力文字数の上限があるが、病歴要約全体の記載は印刷(もしくは PDF)で打ち出したときに、A4、2枚(もしくは A3、1枚)を越えないようにすること. (但し画像データは印刷の仕様上、除くものとする)

字数制限に引っかかっていなくても、この「A4用紙2枚縛り」が意外とオーバーしやすいので、指導医に提出する前に必ずチェックしてから提出するようにしましょう。

A4用紙2枚に収まっているか、提出前にチェックする

⑨ (超基本的・・・)自動ログアウトに注意

これは意外とJ-OSLER初心者に知られていない事実なんですが、J-OSLERの作成ページは、60分経過すると自動でログアウトしてしまいます。

その間にもしも一時保存をしていなければ、そこまで記載したデータは全て消えてしまいます!!(復活もできません)

たまに、夢中で書いていると1時間以上たってから保存ボタンを押すと自動ログアウト→データ消滅し、考察全滅となったことが何度かあったので、注意してほしいです💦

専攻医

なんて恐ろしいトラップ・・・!!

こんな悲劇がおきないための対策としては、

  • こまめに一時保存する
  • Wordで打ち込んでからコピペする

といった方法があります。

個人的には、Wordで打ち込んでから作る方法だと、上述した「字数制限やA4用紙2枚縛り」に引っかかっているかどうかJ-OSLERのページにコピペするまでわからないので、こまめに一時保存するのがオススメです。

具体的には、

入院後経過まで記載
一旦保存して、「PDF出力」で残りの文字数を大まかに確認
余白に応じて、考察内容のボリュームを考える

ようにしていました。

自動ログアウトに注意し、こまめに一時保存を。

まとめ:J-OSLERの病歴要約の作り方

・シンプルかつ不明確な事実の少ない症例を選ぶ
・検査結果のテンプレを使って、時間を節約する
・考察をイメージしてから、要約を作り始める
・困ったら日内会誌や症例報告(と、その中に載ってる英語文献)を引用
・自動ログアウトやA4用紙2枚縛りに注意

病歴要約は、症例登録に比べて時間も労力もかかりますが、ある程度は意義があります。

しかし、考察に苦戦すると時間がかかりすぎるため、特に症例選びには十分注意してから始めるようにしましょう。

●こちらにJ-OSLERの基本〜内科専門医試験の攻略に至るまで、内科専門医取得に関わることを全て書き残しています。

●Twitterのみなさんと力をあわせて作った、内科専門医試験の復元はこちら

●専門医試験の合格体験記はこちら

●病歴要約を進めていく上で、病院から家に本を毎回持って帰るのは大変です。

医学書は、自炊(電子書籍化)をするのが圧倒的におすすめ。

僕はスキャナーと裁断機については以下の機種を使っています。

●電子書籍化のメリットについても以前記事に書きました。

大変かと思いますが、頑張っていきましょう!

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この記事を書いた人

アラサーの男性。内科医。一児の父。
忙しすぎる若手医師に向けて、初期研修、J-OSLER、専門医試験、育児、資産形成などのお役立ち情報を、自身の経験をもとにゆるゆるアウトプットするブログです。趣味は音楽、読書、公園巡り、電車。

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