透析専門医の病歴要約って、併診の症例も使えるけど、その症例との「関わりについて記載した書類(=関わり書)」を自分で作る必要があるらしい。自分で作るの、めんどくさいな・・・🤔
病理で使用した症例は、CPCに参加したという証明として「理由書」を書かないといけないみたい。どんな形式にすればいいんだろう?
こんな人のための記事です。
透析専門医試験を受けるためには、透析専門医レポート(病歴要約)を18個作る必要があります。
それら全てに退院サマリを添付する必要はありませんが、一部の症例では、その症例との関わりを示す「関わり書」を自分でイチから作成し、施設の指導医にサイン・捺印をしていただく必要があります。
ほかにも、同じ年度で受験する他の医師と、レポート症例をシェアしている場合はその「理由書」を作成する必要があります。(これも、今回の記事では便宜上「関わり書」とまとめておきます)
ただ、この「関わり書」、決まった形式がないので、どんなふうにかけばいいかイマイチ分からないですよね。
テンプレがないなら、作ればいいじゃない。
ということで、今回の記事では、実際に透析学会に問い合わせした情報を参考に
●「関わり書」が必要な4つのシチュエーション
●「関わり書」のテンプレート
を作ってみました。
このテンプレートの記載方法で問題がないことは学会の担当者にメールで確認済みです。
参考になれば幸いです!
※この記事は、2023年6月時点の情報をもとに作成しています。別の年度で受験される方は、ご自身でも最新の情報を確認してからご利用してくださいね!
透析専門医レポートで「関わり書」はいつ必要か?
「関わり書」が必要なシチュエーション4つ
「関わり書」とは、文字通り患者との関わりを記載し、それを教育責任者に認めてもらったという証明書を指します。
病歴要約のすべての症例との関わりについて、「関わり書」を作る必要はありません。
自分が透析専門医制度委員会に問い合わせたところ、どうやら
「関わり書」の作成が必要な例4つ
①病理解剖症例について
②自分が主治医ではないが、主治医同等の仕事をしたとして提出した場合(透析併診していた症例など)
③手術症例だが、手術見学のみだったため外科医の手術記録に名前が残っていない場合
④同年度に受験する人で、同じ症例を病歴要約に使っている場合(同じ症例を使うとしても、別年度で受験する場合は不要)
などが、対象となるようです。
案外、「関わり書」の必要となる場面は多いようです…メンドクサイ…
「関わり書」=その患者の診療にきちんと携わったという証明書らしい
透析専門医制度委員会に「〇〇な症例は使っていいですか」と質問すると、概ね「関わり書を作ってください」という返答が来ます。
自分は、さきほどの①〜④のうち、④の質問をした際にも、こんな感じで返事が来ました。
ある症例が同じ時期に入院しており、その症例を主治医レベルで2人の医師が携わっていた場合、2人ともレポート作成に使用することはできますか?それとも、どちらか片方の医師しかレポート作成に使えないのでしょうか?
同一症例を使用される場合、その旨ご記載いただきました書面を添付されて下さい。(教育責任者自署・印 必須)
決まった書式はございません。
例)今年度○○施設から受験予定の医師○○と○○は、症例○について同じ症例を使用していますが、
内容等に不正行為がない事を証明致します。 教育責任者自署・印
この返事を元にして、自分で上記パターンで使える「関わり書」のテンプレートを作ってみました。
「関わり書」のテンプレートを作ってみた
ということで、さきほどの①〜④でのシチュエーションごとに、テンプレートを作ってみました。
①病理解剖症例について記載する場合
■関わり書
今年度A施設から受験予定(〇〇)は、症例Gにおいて、主治医と同等として携わり、剖検への立ち会い、CPCへの出席し症例発表を行った
以上、内容等に不正行為がない事を証明致します。
教育責任者/院長 自署 印
少なくとも、この関わり書は、受験する全員が作る必要があるっぽいよね。
②自分が主治医ではないが、主治医同等の仕事をしたことを証明する場合
■関わり書
今年度A施設から受験予定(〇〇)は、症例AのID123456、症例D、症例HのID654321、の3例について、主治医と同等として携わった
以上、内容等に不正行為がない事を証明致します。
教育責任者 自署 印
(IDなどは参考例として適当に当てはめて作っています。ご自身の症例に合わせてアレンジして作ってみてください)
ご自身の経験した症例のうち、他科の症例で併診したものだったり、研修医のときに経験した症例のため主治医として退院サマリを書いていなかったりする場合、この形式を作っておくのがよいでしょう。
③手術症例だが、自分で手術をしていない場合
■関わり書
今年度A施設から受験予定(〇〇)は、
症例Eにおいて、見学のみのため外科医の作成した手術記録に名前は載っていないが、手術見学をおこなった
以上、内容等に不正行為がない事を証明致します。
教育責任者 自署 印
④同年度に受験する人で、同じ症例を病歴要約に使っている場合
同年度に同じ症例をつかう場合の文面については、さきほどの学会からのメールが参考になります。
■関わり書
今年度A施設から受験予定の医師○○と○○は、症例○について同じ症例を使用していますが、内容等に不正行為がない事を証明致します。
教育責任者 自署 印
①〜④をすべて記載する場合
当てはまる項目が多い場合は、こんなふうに一覧にしてまとめても問題ないようです。
■関わり書
今年度 A病院から受験予定の(氏名■■ ■■)は、
・症例Gにおいて、主治医と同等として携わっていたこと、剖検への立ち会ったこと、CPCへの出席し症例発表を行ったこと
・症例AのID123456、症例D、症例E、症例HのID654321、の5例について、主治医と同等として携わったこと
・症例Eにおいて、手術見学のみのため、泌尿器科医の作成した手術記録に名前は載っていないこと
以上、内容等に不正行為がない事を証明致します。
教育責任者 自署 印
(※IDは実在のものではありません)
これを、Wordに貼り付けて作ったらあっという間に完成です!
専門医制度委員会の人に、念のため上記の形での文面を確認してもらったのですが、
「関わり書として問題ございません」
とのことでした。
大丈夫そうでよかったー
「関わり書」は、後日に提出を要求される可能性がある
「関わり書」が必要となってくるのは、透析専門医のレポート提出のときだけではありません。
透析専門医を受験した先輩方を見ていると、ほぼ全員が、病歴要約ののいずれかの「退院サマリの提出」を要求されるようです。
(2019年頃に透析専門医はレポートのコピペをしていた人がいたらしく、それが発覚した影響でチェックが厳しくなったとの噂です・・・メンドクサイ)
そのサマリ再提出の指示があるタイミングで「あわせて関わり書を作ってサインもらってきてください」という連絡がある可能性もあります。
もしも連絡がきても、焦らず対応をがんばりましょう!
まとめ:透析専門医レポートでは「関わり書」のテンプレートを使って時短しよう
今回は、透析専門医レポートで問題なる「関わり書」についてまとめてみました。
個人的には、この令和の時代に全部直筆のサインと捺印が必要なのはイケてないなあ・・・と感じます。
まあ、今後ペーパーレス化が進めば不要になっていくでしょう。
とりあえず2023年度に受験する方は、指導医のサインと捺印集めをお互い頑張りましょう(T_T)
透析専門医レポートの提出期限は6月30日まで!ラストスパート頑張りましょ!
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