医学のこと

ビタミンD産生に必要な最低限の日照時間は?

入院中の患者さんって、たまにカーテン開けるのすごく嫌がる方おられますよね。

そんな方が、低P血症、低Ca血症が進んでいたら、

おちば

「もしかして皮膚でのビタミンD産生が低下しているのか・・・?」

と(探偵になった気分で)考えてしまう自分がいます。

実際、どのくらい必要なんでしょうか?

結論:ビタミンD産生に必要な日照時間は、1日に30分程度

調べたら、参考になる一覧表が載っていたので、置いておきますね。

体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html より引用

注意点:場所や年齢によってビタミン産生量は違う

ただ、同じ日照時間といっても、

沖縄と北海道だと日光の紫外線の強さは違いそうだし、

高齢者のビタミンD産生量は若年成人と比べて約75%低いという報告もあるそうなので、

一概に何分なんて言えなさそうですね。

あくまで目安ですが、概ね30分くらいと考えておいて良さそう。

CKD患者とビタミンD

CKD患者さんは、ただでさえ1-α水酸化酵素の活性が低下しているので

25(OH)D→1,25(OH)2Dへの変換が低下して、ビタミンD不足になりやすい。

さらに、入院している場合、食思不振があればなおさらです。

P、Ca低値がありPTH高いなら、迷わず投与していきましょう。

ビタミンD不足をどう疑うか。

ビタミンD欠乏を疑うのは、

血液検査で

・Ca、P低下

・24時間蓄尿でCa排泄低下

・ALP、あるいはBAPの上昇

・iPTHの上昇

がある時です。

また、

画像検査で

・骨密度の低下

・非外傷性(脆弱性)骨折

・偽骨折(Looser zone)

でも疑いましょう。

ビタミンD欠乏を疑った時に何を測定するか

腎機能正常なら、25(OH)ビタミンD (体内のビタミンDの貯蓄量)

を測定しましょう。

腎機能低下しているなら、活性化が低下していると考え、1,25(OH)2ビタミンDを測定しましょう。

かれは

迷ったらどっちも測定したくなるね。

ただし、腎臓内科の他の先生方を見ていると、CKD患者で頻繁に測定されている印象にはないです。

P,Ca,PTH(ときどき骨代謝マーカー)を見れば、ある程度ビタミンD不足は予想できるからでしょうか。

おまけ:ビタミンDを多く含む食べ物は?

ビタミンD3は、

ビタミンD2は、きのこ類(しいたけ、きくらげ)

に多いらしいです。

ビタミンD3とD2はほぼ同じようなものですが

ビタミンD3の方が同量でも若干半減期が長く、作用が強いそうです。

アルファカルシドール、ワンアルファ、エディロールは、どれもビタミンD3製剤ですね。

目を通したい文献

●Mayo Clin Proc. 2010;85:752–758

こちらもビタミンD欠乏のReviewです。今回の記事の参考にしました。

NEJM 2007;357:266-81

こちらもビタミンD欠乏のReviewです。日照時間についても言及されてます。

ビタミンD療法のUp-To-Date

めちゃくちゃ濃い内容ですがスッキリとした読み応えで書かれています。

●CKD-MBDハンドブック

全然ハンドブックなサイズ感じゃないので是非お手にとってみてください。笑

ABOUT ME
おちば
アラサーの男性。内科医。一児の父。 忙しすぎる若手医師に向けて、初期研修、J-OSLER、専門医試験、育児、資産形成などのお役立ち情報を、自身の経験をもとにゆるゆるアウトプットするブログです。趣味は音楽、読書、公園巡り、電車。