専攻医を経て考え方が変わったこと3つと、早めにしておきたいこと1選

先日、専攻医(以前の表現で言えば「後期研修医」)の3年めが終わりました。

専攻医は、初期研修と専門医の間の、いわば「訓練期間」。

J-OSLERというシステムと戦いながら、日常診療をハードにこなす期間です。

一方で、専攻医期間は結婚・出産などライフステージの変化を経験する医師も多いです。

今日は、自分が専攻医を経て感じたこと、考え方が変わったこと3つを解説します。

そして、考えが変わった上で感じた、専攻医のうちにやっておくべきこと1つもお伝えします。

おちば

これから専攻医になる方や、現在専攻医でキャリアに悩んでいる方などの参考になれば幸いです。

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プロフィール
  • 30代男性
  • 2017年卒 医師6年目(2022年現在)
  • 非医療職フルタイムの妻&子1人と3人暮らし
  • 腎臓内科専攻医
おちばです。
目次

専攻医になって変わった考え方3選

専攻医を経て変わったこと①臨床への考え方

専攻医になってから、以下の3つを感じるようになりました。

  1. 「専門の医師」として働くのは充実しているが大変
  2. ミスをしてはいけない責任は、学年とともに増える
  3. 医局のメリット・デメリット
おちば

診療の考え方は、この3年間で大きく変わりました。

「専門の医師」として働く大変さ

専攻医を経て感じた大きな変化としては、「診療の難しさ」です

専攻医は、初期研修医とは違い、それぞれの診療科の看板を背負って仕事をするようになります。

専攻医

昨日まで初期研修医だった人も、他科からみたら1人の「専門の医師」として扱われるもんね。

特に大変だったのは、他科からのコンサルトを受けるとき。

ベテランの専門医であれば

  • 自分の知識
  • 自分の経験

の2つが武器となって、ある程度スムーズに答えにたどり着くことができます。

しかし、専攻医になってすぐは「経験」という武器はほとんどありません。

自分で臨床を行いながら経験を得ると同時に、他人の経験を学ぶしかありません。

おちば

専門医の経験がないのに、いきなり専門医として仕事するのは本当に大変💦

ミスをしてはいけない責任

専攻医になると、「上級医としての責任」が重くのしかかってきます。

たとえば、オーダーの入れ忘れがあったとき、研修医であれば上級医のチェックが手厚く入ります。

一方で、専攻医になってからは細かいミスをチェックしてくれる人はいなくなります。

そのため、

  • 誰かにチェックしてもらう前提ではなく
  • ミスをしたら自己責任

となり、自分のミスを減らす工夫をしなくてはいけません。

専攻医

研修医の時は感じなかったけれど、上級医がシッカリ見てくれていたんだなあ・・・

専攻医といえば

  • 新しい知識を身につける✨
  • 専門分野の勉強を深める✨

という「知識を得る」イメージは強いですが、実際は

  • 知っている知識の中で何とか答えを導く
  • ミスを減らす
  • 仕事の効率化
  • 外来をさばく

など、いわゆる「仕事」としての面も強化する期間だと実感しました。

医局のメリット・デメリット

以前、大学病院で働いていたので、そこで働く大変さについて記事にしました。

医局に属することは、大学病院で数年間は働くことを意味しますから、ハードな仕事=デメリットしかないように感じるかもしれません。

しかし、さきほど述べたように、専攻医の立場であれば、

⭕知識はあっても

❌経験がない

すなわち「勉強で知っているけど、実際にできない」という状態になりやすいです。

こういった状態を打破するには、自分の知らないことについて周りの同期や上級医に相談して経験を共有してもらう=インプットすることが重要です。

また、自分の実際にした診療の経験を共有=アウトプットすることで、フィードバックももらうことができます。

そういった経験話を雑談しやすい環境を得る手段が得られるのは、入局して良かった点だと思います。

専攻医を経て変わったこと②家庭への考え方

専攻医になって考え方が変わったことの2つめは、

おちば

家庭についての考え方

です。

専攻医は、多くが20代後半〜30代前半という、ライフステージの変化を多く経験する年代に当たります。

僕は研修医2年目に結婚し、専攻医1年目のときに子が生まれましたが、まさに

「人生の転換点」

といっていいくらい価値観が大きく変わりました。

結婚して子供が生まれることで

  1. 医師の仕事と家庭の両立の難しさ
  2. 「医師」として以外の自分

を知ることになります。

①医師の仕事と家庭の両立の難しさ

おちば

医師の仕事を、家事・育児と両立するのは至難の業です

この世の仕事はさまざまですが、特に医師という職業は、地域格差があることや仕事のシステムが整っていないことなどから、時間外労働が常態化していますよね。

さらに、専攻医という立場は、厚生労働省によるとC水準(=集中的技能向上水準)とされており、時間外労働が年1,860時間まではOKとなっています。

(出典:https://www.okan-media.jp/doctor-2024issue)

専攻医として過ごすだけでも

  • 終わらない残業
  • 容赦なく入る当直・オンコール
  • 大量の時間を消費するJ-OSLER
  • 専門医試験の勉強

など様々なストレスにさらされながら生きることになります(T_T)

女性医師

こんな環境で出産・育児を並行して行うとなると、それはもう大変なことになるのは目に見えてますね・・・

現代は共働き夫婦が増えており、以前のように

●男は外へ仕事に

●女は家で子育て

なんて分業は、到底できません。

  • 朝子供を起こしてご飯を食べさせて保育園の送り
  • 夜は寝かしつけ
  • 子の体調不良では妻と交互に休む

こんな生活の中で、勉強時間は早朝か、深夜か、通勤中しか無理というのが実情です。

②「医師」として以外の自分

育児が忙しい中で、子供のいない周りの同期に取り残される焦りを感じることも少なくありませんでした。

忙しい生活の中で、頑張っても頑張っても同期との差は広がっていく・・・そんな感覚です。

そんな中で、

おちば

人生において、「医師として働くこと」以外にも大切なことがある

と感じるようになりました。

自分が、「医師」という役割以外にも

  • 父親
  • 現役を引退した親を持つ息子
  • ひとりの人間

として、何が大切か、天秤にかけて考えるようになりました。

今考えると当たり前なんですが、医師として働き始めると仕事以外の時間があまりに少なくて、「医師として」以外の価値観が育ちにくいんですよね。

趣味を広げたり、家族とゆっくり向き合ったり・・・

医師として働くことはとても大切ですが、あくまでそれは手段であると考えるようになると、「他人は他人、自分は自分」と割り切れるようになりました。

おちば

そんな中で、お金と時間の大切さに気づくようになりました。

専攻医を経て変わったこと③お金と時間の考え方

僕たち20-30歳代の医師のもつ資産には、

  • お金
  • 時間

の2つがあると思います。

専攻医を経て一番大きく変わったと言えるのがこの2つへの考え方です。

以前は、資産=お金としか考えていませんでした。

資産を増やす=お金を増やす=「仕事をいっぱいする」みたいな感じです。

しかし、専攻医の間に簿記やFPなどお金の勉強をすることを通じて、お金=何かを得るための手段 ということに気づきます。

特に、若手医師の部類にある専攻医や研修医にとっては、時間も立派な資産です。

おちば

時間という資産を、「仕事」のみにフルでつぎ込むと、仕事での成果を期待できる反面、仕事以外の充実感が得られません

ただし、医師という職業は、一般的な職業と比べて

  • 当直
  • 残業
  • 日々の学習

など、仕事に対しての時間をかなり消費せざるを得ない部類の職業です。

ぼくたち医師は、お金を稼ぐことと同じくらい、自分が幸せに感じること、ストレスを感じないことに時間を使えるよう工夫することを意識しておくのが大切だと思います。

おちば

幸せな時間を長くしたり、充実させるための手段として、お金があるように思います。

例えるならば、時間はお米、お金はふりかけ、みたいなものでしょうか。(笑)

お金=ふりかけ、経験や時間=ご飯

家族や友人と楽しい時間を過ごす経験(=ごはん)があって、その経験をより素敵なものにする(=ふりかけ)ように、お金を豊かに使う、というのが大切な気がします。

専攻医になる際にしておきたいこと1選

いろいろと書いてきましたが、専攻医が終わろうとしている今、

  • 臨床への考え方
  • 家庭への考え方
  • お金や時間への考え方

が大きく変わりました。

これらをふまえた上で、専攻医1年目の時点でやっておくべきことは、ズバリ

自分の価値観の棚卸し

です。

価値観の棚卸しとは?

専攻医になり、仕事がより大変になり、ライフステージが進むと、限られた時間の中で全てを手に入れるのは難しいことに気づきます。

そこで大切になるのが、価値観の棚卸しです。

おちば

棚卸し=資産や価値を再確認することです。

当たり前なのですが、人生は、必ずしも正解は用意されておらず、人それぞれの価値観=何を大切と考えるか次第で、目指すべきゴールや正解が決まります。

有名な小説家の格言で、

ブールジュ

自分の考えたとおりに生きなければならない。
そうでないと、自分が生きたとおりに考えてしまう

という言葉があるように、何も考えずにいると「医師として」の一般的な考え方しか身につきません。

専攻医になる節目には、価値観の棚卸し、すなわち「医師として」だけでなく「1人の人間として」自分が何を大切にしているかを具体的な言葉にしてハッキリさせて、ゴールを明確にするのがいいと思います。

とはいっても、実際に自分の価値観を言葉にしてまとめることは、意外とめんどくさいですし大変です。

そんな時に役立つツールとしては、「マインドマップ」があります。

マインドマップ

参考になる例はこちら!

自分の言葉で考えを整理してみると、あとあとで悩むことが減ると思います!

おちば

ゴールに向かって少しづつ進歩していく感覚って大事ですよね。

僕は、

★家族や大切な友人との充実した時間を最大化しつつ、自分の成長を生涯楽しみたい(医学には固執しない)

★そのために、ゆとりのある職場で働きつつ、資産形成を行い、生活の基盤を固めつつ、多方面の挑戦をする

の2点を大切にしていこうと思っています。

おちば

そのためには、専門医の取得のタイミングで医局をやめて転職を検討しています。

まとめ

専攻医の時期は、今後の一生を左右する大切な時期だと言えます。

  • 仕事
  • 家庭
  • お金・時間

について、今一度考えてみて、

  • 価値観の棚卸し

をする時間を設けてみてはいかがでしょうか。

参考になれば幸いです!

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この記事を書いた人

アラサーの男性。内科医。一児の父。
忙しすぎる若手医師に向けて、初期研修、J-OSLER、専門医試験、育児、資産形成などのお役立ち情報を、自身の経験をもとにゆるゆるアウトプットするブログです。趣味は音楽、読書、公園巡り、電車。

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