J-OSLERの症例登録の数が160から120に変更されたってホント?楽になったってことかな?
J-OSLERの制度が変わったって聞いたけど、よくわかんない。
こんな人のための記事です。
内科専門研修プログラムの改定へ
2024年10月1日、J-OSLERの変更が発表!
2024年10月1日、J-OSLERの「専門研修プログラム整備基準」の改定第2版が公開されました!
先日、腎臓内科専攻医のけろ先生(@i_naika20230604)のpostでも話題になっていましたね。
【JOSLER 関連領域 専門研修プログラム整備基準 改定第2版 主な改定内容】
— けろ (@i_naika20230604) October 1, 2024
★7期生(2024)より以下の点が変更
・症例登録数は160→120に変更
・各領域として経験が必要な最低限の症例数を新たに設定
・COVID-19措置は7期生以降適用されないhttps://t.co/2U97JFwmsj pic.twitter.com/sOJXxzsU1k
今回の記事では、この専門研修プログラムの変更点について、解説します。
※この記事ではすべての変更点を網羅しているわけではないので、気になる点についてはご自身で一度ホームページを確認してみてくださいね!
変更点①症例登録の見直し ←重要
いちばん大きな変更として、症例登録数が見直しとなりました。
こちらがまとまっておりわかりやすいです。
★症例数160→120に減ることで、負担が減った
まず、症例数が160→120へ減りました!
やっと減ったのか!朗報だね
これはかなり大きい改正です。
ひとつの症例登録に10分と考えると、約400分=6-7時間分の時間短縮です!
これは、J-OSLERに関わる人がみな唱えていた「症例登録の数が多すぎる」という声に耳を傾けた結果だと思われます。
・・・ただし、症例数が減って、楽になった…と思いたいところですが、それだけではありません。
★領域ごとに最低限の症例数が設定💦
症例数の減少と同時に、領域ごとに最低限の症例数が設定されました。
これは、「症例数よりも症例選択バランスを重視した」結果だと考えられます。
症例登録は一定の登録数を超えると、専攻医の一部には、将来専攻するサブスペシャルティ領域への登録の偏りが幾分みられる状況が確認されました
それぞれ疾患群を最低限クリアした後に、「症例登録数の数を稼ぐためひとつの分野の疾患を登録しまくって数を稼ぐ」という手段を取ることができなくなったということです。
たとえば、消化器内科専攻医の場合、
before)
・最低限の56の疾患群を1例ずつクリア→その後はひたすらポリペク入院を登録しまくる
・最低限の56の疾患群を1例ずつクリア→その後はひたすら誤嚥性肺炎・尿路感染症を登録しまくる
みたいなことが できていました。
ただ、今回の改定にともない、
after)
最低限の56の疾患群をクリアしつつ、血液、神経、アレルギー、膠原病など様々な領域から症例を一定数登録する
が必要になりました。
消化器内科や循環器内科など、単一の臓器疾患が多かったり手技の多い診療科の専攻医にとっては痛い改悪かも…。神経10例とかしんどいな…
逆に、腎臓内科や膠原病内科など、様々な臓器の疾患・症状を経験する診療科にとってはそこまで改悪と感じられないかもしれません🤔
こういった幅広い症例を獲得するためには、
●内科のローテーションを取り入れる
●自分の専攻科で研修しつつ、自分の足りない領域の症例が入院したら担当に入れさせてもらえるよう依頼する
など工夫する必要があるかと思われます。
※上記については、以前の記事でご紹介しているので確認してみてくださいね。
変更点②症例登録の記載字数は短くてOKと明言
つぎに、症例登録の際の、「症例の概略」や「自己省察」の記載字数の目安は、気にしなくてもOKと明言されました。
このブログでは、症例登録は外部チェックがないので、クオリティはあまり求められていないことを繰り返しお伝えしてきました。
今回の改定で学会側も明言したといえます。
1-2行でも大丈夫とのことなので、質より量を重視して行きたいところですね。
症例登録で悩む時間はもったいないです。コピペを使って大量生産していきましょう。
変更点③COVID-19の特別措置が終了
3つめは、専攻医1〜6期生に適用されていたCOVID-19の特別措置が終了することです。
特別措置って、そんなもんもあったな。どんな内容だっけ?
これは、コロナ禍で専門医研修に支障が出ることがあった世代に対しての措置です。
たとえば、これまでは完全に症例登録や病歴要約が終わっていなくても、「修了見込」での内科専門医試験の受験が可能でした。
地味な変更と感じるかもですが、この救済措置に助けられたという人も少なくありません💦
こういった措置が、第7世代以降は適用されなくなります。
症例登録が減るため少し楽になるとはいえ、期限は厳格になるので注意しましょう。
まとめ:J-OSLER整備基準見直しへ
2024年10月1日に改定されたJ-OSLERの整備基準の見直しについて解説しました。
2024年専攻開始(J-OSLER第7世代)以降、
●症例登録数が160→120へ減った
●各領域からの最低限の症例登録数が規定された
●症例登録の記載字数は短くてOKに
●COVID-19の特別措置は終了へ
症例数が減るものの領域ごとの最低限の登録数が規定されたことで やや負担が増えた一面もありますが、これまでと同様に少しずつ計画的に登録を進めていけば、必ず専門医の取得はできるはずです。
必要以上に焦らず、油断しすぎず、自分のペースを崩さずに専門医の取得を目指していきたいですね。
参考になれば幸いです!
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仕事を早くするコツや時間術についての本は巷に溢れていますが、本書は小手先のテクニックではなく、自分にとって有意義な時間の使い方とは何なのか?を考える重要性について、豊富なエビデンスと自身の経験談をまじえつつ述べられています。
J-OSLERをしている時間は幸せとは言えませんが(笑)、それを乗り越えながら、自分がどんな時間を過ごしたいか、考える良いきっかけになるかもしれません。
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