内科専門医の更新に必要な単位を、どうやって取っていくのが効率良いのかな?セルトレ頑張ればいいのか?
50単位も必要なのね・・・講演会をとりあえずたくさん見ればいいのかな?
こんな人のための記事です。
新内科専門医の更新案件は、最近「複雑すぎて分からない」「認定医の頃と比べて更新条件が厳しくなった」と話題になっています。
更新のためには様々な講演や勉強会を受講したり、学会に参加したりする必要があります。
それらは勉強になるとはいえ、できればお金や時間を無駄に使うことなく専門医を更新したいですよね。
今回は、新内科専門医(J-OSLER2世代)である僕が、内科専門医の更新に必要な単位数や受講すべきものについて調べて、最もシンプルで、時間的・金銭的・労力的に効率のよい単位の取得方法について考察してみました。
(計算しまくったのでだいぶ長文になっちゃいました笑)
セルトレの回数別に色々なパターンも準備していますので、今すでに単位をある程度稼いでいる人にも、そうでない人にも、無駄の少ない単位のとり方の参考になるはずです。
一緒に効率良く単位取得していきましょう!
新内科専門医の更新に必要な単位数と最もコスパの良い取得方法について徹底解説!
結論
忙しい人のために、結論を先にお伝えしますね!
最低条件をクリアしつつ、コスパ良く50単位を取るためのパターンは
セルトレ(マークシート版)4回+共通講習3回+内科学の展望(5時間)
参加費合計:15000円
です。
え!セルトレってやるの大変じゃないの??
という方、大丈夫です!
セルトレ対策も載せているので最後まで読んでください😎
セルトレ3回できるなら
セルトレ(マークシート版)3回+共通講習3回+総会1回(15時間)
参加費合計:19000円
これもおすすめ。
ちなみに、もしもセルトレを少なく済ませたいなら
セルトレ1回(マークシート版)+共通講習3回+「総会」2回(15時間×2)+「支部」1回(2時間参加)
参加費合計:24000円
も選択肢になってくると思います。
※総会=日本内科学会総会講演会、展望=内科学の展望、支部=支部主催生涯教育講演会
※あくまで、この記事は「内科専門医の更新のみ」を意識した対策となっています。
「サブスペ専門医の更新」も視野に入れて効率よく単位を取りたい!という方は、サブスペ専門医の更新要件もチェックして、それにあった単位の取得方法(内科学会総会を多めにするなど)にアレンジしてみてくださいね。
以下に、それらに至るまでの理由を解説していきますね。
前提①:更新要件一覧をチェック
まず、はじめに、内科専門医の更新要件は次のようにまとまっています。
・・・すでに欄が多すぎて読む気をなくしてしまっているみなさん!
大丈夫です!ここから最低限やるべきことについてまとめますよ😎
前提②最低限やらないといけないことは?
まず、さきほどの図のうち、赤字になっている部分は最低限やらなければ内科専門医の更新ができません。
つまり、
★セルフトレーニング問題を1回は解いて合格する
★共通講習を3種類(医療倫理、感染対策、医療安全)をそれぞれ受ける(※e-learningあり)
★「総会講演会」「生涯教育講演会(A・B・Cセッション)」「内科学の展望」のうちどれかに、1回は出席
★領域講習(セルトレ+講習会)で20単位を取得する
これらをしないと専門医更新ができないので注意しておきましょう!
前提③セルフトレーニング問題と、その対策
セルフトレーニング問題は、年に1度解く問題集です。
内科全般について50題問われ、60%以上で合格です。
だいたい夏頃に諸先輩方が解いているので、内科医の「夏休みの宿題」感がありますね。
ちなみに、2022年は6月9日〜8月31日が書類請求期間でした。
ただし、セルトレの問題は難易度が高く、一人で解くのは難しいです。
対策としては、同じ病院あるいは医局の同期や先輩、SNSの知り合いなど、他の専門医たちと協力プレーで乗り切るのがカギです。
とくに、Twitterでは毎年みんなで対策チャットが開催されることがあります。
該当時期になったら情報収集しておくのが良さそうですね。
ちなみに、費用はWeb版で1回2000円、マークシート版で3000円です。
(2/6追記)***********
Web版のほうが若干は安いですが、他の人と一緒に解きすすめるのであれば、マークシート版のほうがオススメです。
Web版では問題数の順番を人それぞれ入れ替えられて出題されるからです。
誰かと協力して解きすすめる際、問題順がバラバラだと、どこにどの問題があるかを把握するのが大変ですよね💦
マークシート版を申し込むようにしましょう!
最新の情報を確認したい場合は、こちらをチェックしてみてください→(セルフトレーニング問題 Q&A)
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うまくセルトレを繰り返し行うことで、10単位を効率よく取れますし、費用も安いのでオススメです。
セルトレ:一人で解くのは大変だが、SNSや医師仲間で乗り切ることで10単位/回得られる。コスパよい。
前提④共通講習について
共通講習は、各病院で定期的に開催されている講習です。
J-OSLERのときも受けさせられたアレですね。
3種類、1回ずつ計3回は受ける必要があるので、忘れないようにしましょう。
・・・と言いつつ僕は今年度のぶんを受けるのを忘れていました。笑
忘れっぽい人や、場所や時間を指定されるのが面倒な人は、e-learningを利用するのがおすすめです。
1講座につき2200円を課金するの、ちょっと悔しいですけどね。。。
共通講習:手間的にも値段的にもコスパはそこまで良くない。最低限でOK
前提⑤講演会はいろいろ。総会が一番コスパが良い
講演会は色々ありますね。
このページでは、コスパのことしか考えていないので、現地への参加は原則しないもの(つまり、オンラインやアーカイブで視聴する)ことを前提に話を進めていきます。
それぞれの講演会は名前が長いので、わかりやすく
- 年次総会講演会=「総会」
- 生涯教育講演会=「生涯」
- 内科学の展望=「展望」
- 支部開催生涯教育講演会=「支部」
と略しておきますね。※
単位を取得していく上で、一番コスパが良い講演会は「総会」です。
なぜなら、3日開催なので最大15単位取得できるからです。(他はだいたい1日開催)
1時間につき1単位なので、計15時間アーカイブで視聴する必要があります。
長いようですが、PCでの視聴なので、現地開催よりは遥かに楽ですよね。
PCの電源をつないでおくことだけ注意しましょう。笑
単位はその講演の長さではなく、視聴時間に応じて計算されてしまいます。早送りすると、自分の視聴時間が短かったことになり、本来得られるはずだった単位を失いかねません。早送りはしないようにしましょう。
ちなみに、総会以外の講演会の参加費についは
●「生涯」は5000円/回
●「展望」は3000円/回
●「支部」は1000円/回
です。(※2022年度の参加費を参照)
※ 地方会は?と思った方もいるかもしれません。確かに地方会も単位取得には使えますが、基本的にライブ配信のみ(アーカイブで後から視聴できない)です。また、参加費も2000円と「支部」より高いです。リアルタイムでしか見れないのは時間の拘束がありますし、聞き逃すリスクがあるため、今回の記事では除外しておきます!笑
・講習会のうち、総会は1回参加で15単位まで得られるのでコスパが良いが、やや値段が高い(10000円)
・講習会を最低限にして最安値ルートで行きたいなら、「展望」 3000円を1回だけ受けて、あとはセルトレで荒稼ぎするのがよい。
前もってやること:早めにアーカイブ視聴配信サイトに登録
アーカイブで講演会を視聴するためには、前もって「日本内科学会 講演会・地方会 視聴参加登録 配信サイト」に登録しておきましょう。
意外と簡単に登録できますよ!(ステマでも何でもないです。笑 )
また、視聴サイトに登録しておくことで、今視聴できるアーカイブが一覧でチェックできます。
学会のスケジュールについては各自で要チェックですね。
内科学会のホームページは謎に今後の予定が見にくいので、上記の視聴参加登録配信サイトで講演会カテゴリから逐一アーカイブが可能な学会がどれかをチェックしておきましょう。
ちなみに、2023年の内科学会総会は4月14-16日の3日間ですね。2月上旬から登録開始なので忘れないようにしましょう。
前もってやること:効率の悪そうなものを除いてみる
まずは、最初に上げた表の項目のうち、よくわからないもの、めんどくさそうなものを取り除いていきます。
ⅱの共通講習は1回1単位なのでコスパも悪いし、そもそもどこでどう受けたら良いのかもわからないので削除します。最低限の3つのみで抑えておきたいところです。
ⅲ)では、JMECC指導やCPC、査読など、めんどくさそうなものを取り除いておきます。
ⅳ)についても、学会発表や雑誌投稿は1単位しかもらえないというコスパの悪さなので消しておきますね。
ここまで取り除くと、だいぶシンプルになりました。
とりあえずやるべきこととしては、
★セルトレをたくさん解く
★内科学会総会を中心に、講演会をたくさん視聴する
という結論に達します。
では、具体的にどのくらいセルトレを解いたり講演会を視聴したりする必要があるのでしょうか?計算していきます。
具体的な単位の取りかた〜セルトレの回数別〜
パターン①セルトレ1回のみ+講演会3回
まずは、セルトレを1回のみ解くパターンです。
講習会を利用することで、視聴時間や費用はかかるものの、問題を解いたりする手間が少ないルートになります。
セルトレ1回+共通講習3回+「総会」2回(15時間×2)+「支部」1回(2時間参加)
セルトレ1回ルートはセルトレを解く回数が少ない分、講演会は多めに必要です。
Ⅰ)セルトレ1回 10単位 (最低条件)
Ⅱ)共通講習 3回 3単位(最低条件)
Ⅲ)総会×2回参加=30単位
Ⅳ)総会(1回目)2単位(最低条件)+総会(2回目) 2単位
→47単位
あとは、これに追加して3単位を取ればOK。
3単位だけを狙うのであれば、「生涯」「展望」ではなく、「支部」にしましょう。(理由は安い※1からです)
「支部」に2時間だけ参加→2単位+活動実績1単位=3単位になるので
→47+3=50単位
となります。
かかる参加費を計算してみます。
※1. 「生涯」「展望」はそれぞれ1回参加につき2単位得られるので、1時間参加だけで3単位得られてお得なのですが、参加費が1回につきそれぞれ3000円、2000円かかるので「支部」(1000円)より高いです。
どうせ流しっぱなしにすると思うので、1時間の違いであれば参加費の安い方で・・・という考えで、今回は「支部」を推してみました。
※2. 共通講習を現地で受けた場合です。もしも共通講習をe-learningで受けるなら、さらに1回につき2000円追加で費用がかかります。
パターン②セルトレ2回+総会2回
セルトレを2回頑張ったら、さらに1回分、講演会参加の手間が省けます。
セルトレ2回+共通講習3回+「総会」2回(うち1回は8時間視聴)
セルトレ2回の場合は、参加する講演会は2回ですみますし。視聴時間も少し短くなります。
Ⅰ)セルトレ1回 10単位 (最低条件)
Ⅱ)共通講習 3回 3単位(最低条件)
Ⅲ)総会×2回参加(うち1回は8時間)=23単位
+セルトレ2回目10単位
Ⅳ)総会(1回目)2単位(最低条件)+総会(2回目)2単位=4単位
→50単位
ちなみに、これらの合計の参加費は、
参加費用は、パターン①と、どっこいどっこいですね。
パターン②’ ②をさらに安上がりにするには
ちなみに、参加する講演会を「総会」2回としているのは、参加登録の回数が少なくて済むからです。
参加の手続きってめんどくさいもんね。忘れそうだし。
もしも、参加登録の手間がかかっても、もう少し安く済ませたいのであれば、例えば
セルトレ2回+共通講習3回+「総会」1回(15時間)+「展望」1回+「支部」1回(展望と支部で計7時間))
などでも良いかもしれません。
Ⅰ)セルトレ1回 10単位 (最低条件)+セルトレ2回目10単位=20単位
Ⅱ)共通講習 3回 3単位(最低条件)
Ⅲ)総会×1回参加(15時間)+展望1回+支部1回(4時間+3時間などで計7時間)=22単位
Ⅳ)総会 2単位(最低条件)+展望1回 2単位+支部1単位=5単位
→50単位
となります。
これだと参加費は
さきほどの総会2回パターンと比べて安上がりになりますね。
学会参加登録3回になる手間を惜しまないのであれば、個人的にこのパターンもアリだと思います。
パターン③セルトレ3回+総会1回←おすすめ
さらに、セルトレをやる回数を増やしていきます。
セルトレに比重をおけばおくほど安上がりなので、お財布には優しくなってきます。
ただし、セルトレを一人で解くのはキツイので、やるのであれば他の人との協力プレーが不可欠だと思います。
セルトレ3回+共通講習3回+総会1回(15時間)
ここまで来ると、総会1回で済みます。
Ⅰ)セルトレ1回 10単位 (最低条件)
Ⅱ)共通講習 3回 3単位(最低条件)
ⅲ) セルトレ2回目・3回目 20単位
この時点で、すでに33単位。
残りの17単位をどう取るかですね。
もしも総会に参加すれば、講習は1回で済みます。
Ⅲ)総会×1回参加=15単位
Ⅳ)総会 2単位(最低条件)
→33+17=50 単位
総会ちょうどきっかり50単位。
参加費は
もう少し安く済ませたいなら、「総会」→「展望」や「支部」に変更するのも可能ですが、やや煩雑になるのでおすすめしません。。。
例)総会のかわりに展望×3回 など
パターン④ セルトレ4回+展望1回←おすすめ
これが最後です!
セルトレを4回とすると、それだけで40単位になります。
かなり値段的にも講習会参加の手間的にも少なくて済みます。
セルトレ4回+共通講習3回+展望(5時間)
Ⅰ)セルトレ1回 10単位 (最低条件)
Ⅱ)共通講習 3回 3単位(最低条件)
ⅲ) セルトレ2回目・3回目・4回目 30単位
この時点で、43単位。
Ⅲ)展望(5時間) 5単位
Ⅳ)展望参加 2単位(最低条件)
→43+7=50単位
ちょうどよいですね。
参加費は
コレが最安値です!
セルトレを毎年やるというキツさはありますが、総会ではない講習会1回で済むのは高コスパと言えます。
繰り返しになりますが、セルトレは一人で解くのはハードです。セルトレ施行時期にTwitterなどSNSでリサーチして情報収集するのがオススメですよ。
※「展望」も「生涯」も、ときどき講演の時間が合計しても5時間に満たない場合があります。
例)講演の合計が4時間半の場合は、最大で取得できる単位は4時間分、つまり4単位
この場合、4+2=6<7単位となってしまい、50単位をぎりぎりでクリアできないので注意しましょう。
まとめ:内科専門医をコスパよく更新するための方法
コスパ良く50単位を取る方法としては、
セルトレ4回で行くなら
セルトレ4回(マークシート)+共通講習3回+展望(5時間)
参加費合計:15000円
セルトレ3回なら
セルトレ3回(マークシート)+共通講習3回+総会1回(15時間)
参加費合計:19000円
セルトレ2回にするなら
セルトレ2回(マークシート)+共通講習3回+「総会」2回(うち1回は8時間視聴)
参加費合計:26000円
セルトレを1回で済ませたいなら
セルトレ1回(マークシート)+共通講習3回+「総会」2回(15時間×2)+「支部」1回(2時間参加)
参加費合計:24000円
このあたりのパターンでクリアできます!
個人的にはセルトレ4回+展望パターンか、セルトレ3回+総会パターンがシンプルですし、金銭的にも時間的にもコスパは良いはず。
(もっと楽な方法があったり、計算間違いがあれば教えてください笑)
これはあくまで一例なので、上記とは別に、学会発表をしたりCPCをしたり論文を書いたりする機会があるなら、もう少し楽に50単位に届くかもしれませんね。
いずれにせよ、計算してみて思ったのは、5年間かけて50単位取るのは、意外と簡単に到達できるということです。
せっかく取得した内科専門医。効率よく更新していきましょうね!
みなさんの参考になれば幸いです!
このブログは、若手医師が効率的に研修生活や内科専門医+サブスペ専門医の取得・更新を乗り切ることで、自分たちの好きなことに集中したり、自分に合った働き方ができるように応援しています!
■J-OSLERをやっている時期(医師3-6年目)に結婚・出産を経験したら、自分に合った働き方へのシフトする準備を検討していきましょう。
僕は、
★家族や大切な友人との充実した時間を最大化しつつ、自分の成長を生涯楽しみたい(医学だけに固執しない)
★そのために、ゆとりのある職場で働きつつ資産形成を行い、生活の基盤を固めつつ、多方面の挑戦をする
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コメント
コメント一覧 (2件)
いつも参考にさせていただいています。
今回も大変有益な情報ばかりでありがたいです!
一点だけ気になったのですが、
「PCで流しっぱなしにしておけばOK」という表現はちょっとまずい気がします。笑
内科学会にバレたら怒られそうなので、心の中で思うだけにしてはいかがでしょうか?
(もちろんちゃんと視聴するべきなんですが…)
無粋なコメントで申し訳ありません。
これからも更新楽しみにしています!
専攻医太郎さん、コメントいただきありがとうございます!
ご指摘の通り、表現としてイマイチでしたね・・・汗
心の内にとどめて、きちんと視聴するようにします。笑
記事、修正させていただきます!
今後ともよろしくお願いします!