入院中の患者さんって、たまにカーテン開けるのすごく嫌がる方おられますよね。
そんな方が、低P血症、低Ca血症が進んでいたら、
「もしかして皮膚でのビタミンD産生が低下しているのか・・・?」
と(探偵になった気分で)考えてしまう自分がいます。
実際、どのくらいの日照時間が必要なんでしょうか?
ということで、調べてみました。
結論:ビタミンD産生に必要な日照時間は、1日に30分程度
ビタミンD産生に必要な日照時間は、1日に30分程度みたいです。
意外と短い時間でもなんとかなるんですね。
参考になる一覧表が載っていたので、置いておきますね。
注意点:場所や年齢によってビタミン産生量は違う
ただ、同じ日照時間といっても、
沖縄と北海道だと日光の紫外線の強さは違いそうだし、
高齢者のビタミンD産生量は若年成人と比べて約75%低いという報告もあるそうなので、
一概に何分なんて言えなさそうですね。
あくまで目安ですが、概ね30分くらいと考えておいて良さそう。
CKD患者とビタミンD
CKD患者さんは、ただでさえ1-α水酸化酵素の活性が低下しているので
25(OH)D→1,25(OH)2Dへの変換が低下して、ビタミンD不足になりやすい。
さらに、入院している場合、食思不振があればなおさらです。
P、Ca低値がありPTH高いなら、迷わず投与していきましょう。
ビタミンD不足をどう疑うか。
ビタミンD欠乏を疑うのは、
- Ca、P低下
- 24時間蓄尿でCa排泄低下
- ALP、あるいはBAPの上昇
- iPTHの上昇
がある時です。
また、
- 骨密度の低下
- 非外傷性(脆弱性)骨折
- 偽骨折(Looser zone)
でも疑いましょう。
ビタミンD欠乏を疑った時に何を測定するか
・腎機能正常なら、25(OH)ビタミンD (体内のビタミンDの貯蓄量)
・腎機能低下しているなら、活性化が低下していると考え、1,25(OH)2ビタミンD
を測定しましょう。
ただし、腎臓内科の他の先生方を見ていると、CKD患者であまり頻繁に測定されている印象はないです。
P,Ca,PTH(ときどき骨代謝マーカー)を見れば、ある程度ビタミンD不足は予想できるからでしょうか。
おまけ:ビタミンDを多く含む食べ物は?
ビタミンD3は魚、ビタミンD2はきのこ類(しいたけ、きくらげ)に多いらしいです。
ビタミンD3とD2はほぼ同じようなものですが
ビタミンD3の方が同量でも若干半減期が長く、作用が強いそうです。
アルファカルシドール、ワンアルファ、エディロールは、どれもビタミンD3製剤ですね。
読んでおきたい文献
●Mayo Clin Proc. 2010;85:752–758
こちらもビタミンD欠乏のReviewです。今回の記事の参考にしました。
こちらもビタミンD欠乏のReviewです。日照時間についても言及されてます。
●ビタミンD療法のUp-To-Date
●CKD-MBDハンドブック
全然ハンドブックなサイズ感じゃないので是非お手にとってみてください。笑
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