【研修医向け】内科に進んだ僕が「総合内科」を選ばなかった理由【診療科選び】

初期研修医

総合内科って、何でもデキそうでかっこいいですよね!

専攻医

気持ちは分かるんやけどな。大変やで、総合内科。

目次

総合内科はかっこいい!けれど・・・

突然ですが、総合内科って、何でも診断・治療できてめちゃめちゃカッコいいですよね。

細かい所見も見分けられる、身体診察スキル!

感染症も膠原病も血液疾患でも、あっという間に確定診断に至る鑑別能力

とても優秀で、教育熱心な方が多い印象にあります。

おちば

研修医向けの本も、総合内科の先生が書かれていることが多いですよね。

医学生や研修医のみなさんの中には、総合内科を目指している方も少なくないと思います。

何を隠そう、僕も医学生のときは総合内科に憧れていました。

しかし気がつけば、僕は初期研修を終える頃には、別の内科を選んでいました。

今日は、魅力的に映っていた総合内科のイメージが、初期研修医を経てどう変わり、なぜ最終的に自分のキャリアとして選ばなかったのかについて考察したいと思います。

総合内科を含め、内科でどこの診療科にしようか悩んでいる医学生・研修医の方に参考になれば幸いです。

※この記事は、あくまで「自分がなぜ自分の専門としなかったのか」の理由を書いております。

決して総合内科がキライとか、総合内科への偏見があるわけではありませんのでご了承ください💦(ぼくは、総合内科の先生たちのことは大好きです!)

総合内科を選ばなかった理由

結論から言います。

総合内科にならなかった理由

1. 病院によって仕事が違いすぎる

2. 診断に苦慮することは、案外少ない

3.この患者は任せろ!と言える分野を、なるべく早く作りたかった

ひとつひとつ掘り下げていきす。

理由①病院によって仕事が違いすぎる

総合内科は、病院によって必要とされるスキルが異なることが多いです。

大学で臨床実習や初期研修をしているとイメージが湧きにくいかもしれませんが、一般的な市中病院では、大学病院のように全ての診療科が揃っているとは限りません。

たとえば、血液内科、神経内科、膠原病内科、感染症内科、呼吸器内科など専門医の少ない診療科は、ないか、あったとしても非常勤の医師が週に1-2回来る程度、という病院も少なくありません。

総合内科は、「その病院の中で足りていない/常勤医のいない診療科の疾患の患者を担当することが多い」です。

いわば「スキマ産業」と言えるでしょう。

感染症内科のない病院であれば、感染症の管理を担うこともあります。

膠原病科のない病院であれば、膠原病の診療をおこなうこともあります。

中には、このコロナ禍でCOVID-19の診療の矢面に立たされることも💦

一定の期間働くと、その病院で求められる総合内科の人材としてのスキルは身につきます。

しかし、ほとんどの医師は一生同じ病院で働くわけではありません

たとえば、前に働いていた病院で膠原病をある程度診療するスキルが身についても、次に働く膠原病科の先生がいる病院であれば、基本的にそのスキルは求められません。

病院によっては、誤嚥性肺炎や、治療介入が困難となった脳梗塞・脳出血患者の転院調整のみをするような症例ばかりを診る総合内科医として働くこともあるかもしれません。

少しでも自分はこんな疾患がやりたい!というイメージのある人は、専門性を身につけるためには総合内科ではなく専門の診療科に進んだほうが効率的だと思います。

おちば

僕は、どこの病院でも求められるスキルがある程度定まっている診療科が選びたかったので、総合内科は選びませんでした。

理由②診断に苦慮することは、案外少ない

医師になってから気づいたこととしては、診断が本当に難しい場面は、案外少ないことです。

正確には「全部が全部、病態を正確に診断し説明を付けられるのは難しい」とも言いかえられます。

現代は医療の発達で様々な検査が行えるようになっています。

血液検査ひとつとっても10-20年前と比較して様々なマーカーや指標ができていますし、日本のCTやMRIの人口あたりの台数はOECDの中でダントツでトップと言われています。

日本の画像診断② -CT, MRI台数, 撮影回数のOECD諸国との比較- より引用)

そのため、一般的に診断が難しいと言われる膠原病、血液、感染症などの分野においても、診断が難しい疾患はほんの一部です。

多くの内科医の仕事内容は、毎日正答率の低いクイズゲームではなく、診断基準や治療方針などガイドラインで決まっていることをミスなく、こなしていく必要があります。

そんな中で、内科医に重要なスキルは、難しい診断を下すことよりも「当たり前のことを、当たり前にこなすこと」だと感じました。

おちば

初期研修をしていく中で、総合内科の専門性として挙げられる「診断スキル」の魅力が薄れてしまったのは事実です。

理由③この患者は任せろ!と言える分野が欲しかった

僕が総合内科を選ばなかった一番の理由は、この疾患群は自分たちにしか診れない!といった最後の砦といえる分野がほしかったからです。

たとえば、循環器内科なら心疾患、呼吸器内科なら肺疾患などが自分たちの専門分野と言えます。

しかし、総合内科は診るべき疾患群として定められたものはありません。

強いて言うなら、どこの病院に行っても診断のつかなかった稀な疾患の診断などでしょうか。

そのため、一定の患者層を繰り返し診療することで得られるマネジメント能力を身につけるのが難しい印象にあります。

研修医レベル以上のスキルアップは、環境によらずに学び続けられるだけの個人のモチベーションや能力があるかどうか次第といえます。

おちば

僕は医学部の中で決して優秀とは言えませんでしたし、自分で専門性を切り開くだけのキャパもなさそうだったので、別の診療科を選ぶことにしました。

まとめ

総合内科を僕が選ばなかった理由を3つ上げてみました。

繰り返しにはなりますが、総合内科の先生方は優秀な先生が多く、特に学生や研修医の教育を担うという点では本当に重要な診療科です。

もしも研修医の教育に興味があったり、総合内科として「診察・診断スキル」を専門にしたいのであれば、後期研修から進路として選んでみてもいいかもしれません。

個人的には、まず何か一つの診療科で専門的なスキルを身に着けた上で、最終的にたどり着く進路として考えるのもいいかな、と思っています。

参考になれば幸いです。

■おすすめの本

1 みんな、かつては研修医だった。 医師が答える医師たちの悩み

とても忙しいことで有名な神戸中央市民病院の救急部で活躍している柳井先生の著です。

ハードな病院で働いているので鬼のような厳しい先生かと思いきや、実際に勉強会でお会いした時はとても優しい先生でした。

悩める研修医に対して優しい福音が詰まっています。

2 ジェネラリストのための内科診断リファレンス

内科医として知っておきたいエビデンスが詰まった1冊です。

読み返すたびに、これぞ総合内科!と言える面白くてためになる発見があるように思います。

■こんな記事も書いています

J-OSLER関連(特に病歴要約)の記事は、たくさんの人に読んでいただいています。

早く終わらせてスッキリした状態で研修をしたいですね。

初期研修医の方におすすめの本はこちらでまとめて紹介しています。

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この記事を書いた人

アラサーの男性。内科医。一児の父。
忙しすぎる若手医師に向けて、初期研修、J-OSLER、専門医試験、育児、資産形成などのお役立ち情報を、自身の経験をもとにゆるゆるアウトプットするブログです。趣味は音楽、読書、公園巡り、電車。

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