腎臓J-OSLERって、どんなふうにすすめれば良いんだろう?
J-OSLER-JINはJ-OSLERから移行できるのかな?
こんな人のための記事です。
サブスペJ-OSLERの中でも腎臓内科J-OSLER(通称J-OSLER-JIN)は、内科J-OSLERよりも複雑で情報も少ないので、なかなかまとまった情報が少ないですよね。
どんなふうに準備していけばいいか悩むことがあるかと思います。
このシリーズでは、現役腎臓内科専攻医(J-OSLER第2世代)の僕がJ-OSLER-JINの進め方について解説します。
腎臓内科専門医取得のためには以下の3つをクリアする必要があります。
★症例登録
★病歴要約
★専門医試験
今回は、そのうちの「症例登録」にスポットを当てて基本情報や対策を紹介します。
押さえておきたいポイントをまるっとご紹介します!
忙しい人のためのJ-OSLER-JIN対策(症例登録編)
症例登録の方法(J-OSLER第3世代まで)
まずはじめに、症例登録の方法です。
症例を登録する方法は簡単です。
J-OSLER第3世代までの方は、Excelでのフォーマットでの提出を指示されています。
①日本腎臓学会のホームページにアクセス
②「新専門医制度について」のページから、Excelフォーマットをダウンロード
たくさんあってややこしいですが、ダウンロードすべきものは
●フォーマットの(A)(B)(C)+※病歴ID対照表
●経験すべき症例数一覧
だけでOKです。それ以外のファイルはダウンロード不要です。
③ダウンロードしたフォーマット(A)に書き込みしていく
※この際、左下の部分をクリックして、「記入上の注意」ではなく「経験症例リスト」にフォーマットを変更してから、症例を書いていくようにしましょう。
あとは、ひたすらに症例情報を登録していきます。
※第4世代以降の方は、J-OSLERのときのようなネット上での登録フォームシステムが作られる予定のようですので、Excelで作る必要はありません。
2022年時点ではシステムが出来上がっていないので、全貌は不明です・・・
忙しい人のためのJ-OSLER-JIN 〜症例登録のポイント〜
Excelフォーマットをダウンロードできたところで、症例登録のポイントをお伝えします。
Point① 入院症例112例、外来48例が必要
症例登録の目標は入院140例、外来60例の計200例とされています。
しかし、単位認定の目標、すなわち最低限必要な症例数は、それぞれの80%です。
つまり、入院112例、外来48例の計160症例が最低でも必要になります。
そういえば、内科J-OSLERも160症例だったな・・・
入院:112例
外来:48例
→合計160症例
Point②各疾患群の50%以上の症例を作成する
症例登録では、各疾患群の症例数の50%以上は登録が必要です。
例)たとえば、1Aの「CKD」疾患群では入院症例が10となっているので、その半分の5例以上の作成が必要です。
疾患群の数はそこまで種類が多くないとはいえ、J−OSLERのときは各疾患群を1例登録しておけばよかったことを考えるとすこしハードルが上がりますね💦
担当しにくい疾患群は最低限をカバーし、書きやすい疾患群(透析導入、透析の合併症、電解質異常など)で数を稼ぐようにしましょう。
参考までに、個人的に感じた「難しかった疾患群」をお伝えしますね。
早めにこういった疾患群の症例については担当に名前を入れさせてもらっておくのがオススメです。
それぞれの疾患群の50%は満たす必要がある
→書きにくい疾患群は最低限にして、書きやすい疾患群で数を稼ぐ
Point③J-OSLERの症例を使い回せる(上限ナシ)
症例登録は、内科J-OSLERで使用した症例を使い回せます。
しかも、使い回す症例数に上限はありません。
何例でも使い回せるのはありがたいですね。
J-OSLERのページの「症例」の部分から、「症例の概略」をどんどんコピーアンドペーストしていきましょう。
ただし、
●その症例の指導医が腎臓内科医であること
●専攻医1年目以降の症例であること(初期研修の症例は❌)
が条件のようです。
専攻医1年目のときの症例が使えるのは、実はJ-OSLER1〜3世代向けの優遇処置です。J-OSLERの第4世代以降の方は専攻医2年目以降の症例しか使えなくなるみたいなので注意してくださいね!
J-OSLERを使い回すことで作る時間を大幅に短縮できるので、なるべく利用するようにしたいですね。
J-OSLERで使った症例は、なるべく使い回す!
Point④ とにかく、質より量!
症例登録については、質よりも量を重視すべきです。
上記のように登録が必要な症例数はとっても多いです。そのため時間をかけて書くことで、病歴要約やほかの日常業務に支障が出るのは避けましょう。
また、J-OSLERのときと同様、症例登録の外部評価はそこまで厳しくありません。(実質、自施設の指導医のみのチェック)
外来を一定数診療したこと(あるいはカルテを書き残しておくこと)や、入院中担当医に入っていることなど、最低限の条件を満たしておけば、大きな問題にはなりません。
あまり質にこだわらずに、気楽に登録を進めていきましょう。
質より量を重視して、とにかく登録する!
Point⑤ 文章は書きすぎない
また、文章の量は注意が必要で、長くても10行程度には収めなければいけません。
実際に書いてみると、J-OSLERのときの症例登録よりもコンパクトにまとめないと10行に入りません。
あまりに字数が多いと、フォーマットが崩れて後になって文字を削る必要も出てくるかもしれません。
そんなにたくさん書き込めませんね💦
字数が多すぎると、後々で印刷する際に調整する手間になる可能性もあります。
とにかくシンプルに、サクサクつくるのが良さそうです。
たくさん書きすぎない!
まとめ:症例登録のポイント
入院症例112例、外来48例が必要
各疾患群の50%以上の症例を作成する
J-OSLERの症例を使い回して効率よく登録していく
質より量
一つ一つはコンパクトに作る
J-OSLERのときと比較して、作成する時間が1年間程度と限られているのが大変ですが、その分クオリティはそこまで問われていない印象です。(あくまで印象ですが・・・)
僕は記事作成現在(2022/10/25)で、120/160症例を作成していますが、透析当番や透析バイトなど空いた時間でちょこちょこと作っていけば意外と数を積み上げていける感覚があります。
・おすすめの本2冊をご紹介します
●医良戦略2040 2040年の医療を生き抜く13の戦略
J-OSLERをやっていると「たくさんレポートをやらされているけれど、今後自分たちはどんな医師になることが求められているんだろうか・・・」という悲しい気持ちになってきますよね。
そんなときにおすすめなのがこの本です。
今後の環境変化(少子高齢化やIT化など)を踏まえた上で、最先端の医師や医療に関わる民間(企業の方)などいろんな人の視線で「今後求められる医師像」について触れられている1冊です。
日々どのようなことを意識して自分のスキルを身に着けていくべきかを考えるきっかけになります。
●勉強が面白くなる瞬間
勉強をし続けることは、医師という職業に与えられた宿命だと言えます。
とはいえ、勉強のモチベーションを保つのは難しいですよね。
どのように勉強するか?というノウハウにスポットを当てた本は多いですが、この本は少し変わっていて、なによりも情熱が重要!という姿勢(めっちゃ根性論(笑))を書いている本です。
でも、読むと、とってもやる気が出てきますよ🔥
関連記事です。
【これだけは知っておきたい】HIF-PH阻害薬の使い方②エベレンゾについて
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