【人生変わった】男性医師が育休を取得する5つのメリット

研修医

医師の僕も育児休業を取ってみようかな

専攻医

男性医師の育休ってどんな感じなんだろう?

こんな人のための記事です。

男性の育児休業取得が国によって推進されている中で、一般企業においても育休取得率は12.6%(2020年)とまだまだ少ないのが実情。

医師界隈はその中でも、育休取得率が少ない印象です。

僕は専攻医の途中、子どもが1歳の時期に6ヶ月間の育児休業(1ヶ月は妻と二人、5ヶ月間はワンオペ)を取得しました。

今回の記事では、実際に男性医師の僕が育休を取得した際に感じた、取るメリットについて、解説します。

この記事はこんな人向け

・男性医師で、育休を取りたいけれどイメージが沸かない

・実際に男性医師が育休を取ってみた感想が知りたい

・医師の夫に育休を勧めたいので、実際に取得した例を紹介したい

目次

男性医師が育休を取得する5つのメリット

①キャリアを気にせず育児をできる

育休の話をすると、だいたい開口一番に

専攻医

キャリアに影響がないか心配

という人が多いです。

確かに、医師という仕事はハードだし、自分が働いてきて培った知識やスキルが失われてしまうのではないか、と心配な人もいるでしょう。

しかし、実際のところ数ヶ月の育児休業で仕事に致命的な影響は出ません。

おちば

僕は約半年間の育児休業を取得しました。
復帰後には、普通に内科医として働いています。笑

もちろん

  • 論文をいっぱい書いて、大学の上層部まで駆け上がってやる!
  • バンバン手術をして外科医として国内トップレベルを目指す!
  • 医師免許を持った上でベンチャー企業でゴリゴリ新たなアプリ開発していく!

みたいな意識がしっかり高い方や忙しい方であれば、育児休業なんか取得せずに仕事をバリバリしたほうが有意義だと思います。

しかし、大多数の普通の医師は、育休のせいで一人前になれないことはないはず。

また、医師は国家資格であり、育休を取得したからといって職を失ったり降格したりする可能性はないはずです。

(育休を理由に待遇を悪くする(=パタハラ)は法律で禁止されています。)

育休を取得しても仕事を失うことはないと考えると、むしろ医師は「育休を取りやすい」とも言えます。

是非免許を有効に活用し、子供とガッツリ接することのできる育休を取得してみるのがおすすめです。

医師免許は強い。育休を取得しても給与や待遇にそこまで影響しない

②夫婦関係が良くなる

妻から夫への愛情について、「愛情曲線」として有名なグラフを示します。

https://www.twp.metro.tokyo.lg.jp/Portals/0/jigyou/lwb/curve.htmlより引用)

このグラフで示されているように、子どもを持つと夫への愛情は低下します

特に、結婚直後〜乳幼児期という一番大変な時期に、育児にきちんと参加できていなければ、それは愛情の「低迷グループ」に入ることを意味します。

つまり、その後の人生で、妻からの評価(愛情)は地に落ちた状態のままと言われています。

専攻医

・・・つらすぎる現実!!!

一方で、しっかりとこの時期を育児に参加した父親は、「回復グループ」ルートをたどり、その後の人生でも良好な関係を築くことが多いようです。

回復グループに入るか、低迷グループになるかによって家庭の雰囲気、過ごしやすさ、妻との関係が大きく変わってきます。

乳幼児育児の苦楽を共にすることで、数十年間、時間を共にするであろう妻や子と、平和な家庭を過ごせるようになるのであれば、育休は非常に有用だと思います。

将来的に、よい夫婦関係でいられる

③家事育児の全体像がわかる

育児休業の期間は、実際に経験してみると分かりますが、決して子供とワイワイ過ごすだけではありません。ワンオペであれば家事育児を一人でこなさなければいけません

  • とにかくタスクが多い
  • 生活リズムをととのえるのがキツイ(朝寝・昼寝・食事など)
  • 育児に正解はないため、悩む

などで、本当に大変でした。

おちば

ぶっちゃけ、仕事より全然キツかった・・・

洗濯をして、ご飯を作って、掃除をして、寝かしつけをして、遊んであげて、たまに出かけてあげて、またご飯をつくって、寝かしつけをして・・・

例えるなら、救急外来を延々と一人で回しているような状態でしょうか。

それらのタスクをこなさなければ、1日は終わりません。

やっと一人の時間ができる夜に奥さんが帰ってきたときにはヘトヘト。

このヘトヘトな状態になってみて初めて育児家事がキツイという自覚を持つことができます。

外部から見たら「大変そうだなー」というイメージがあっても、実際にやってみなければその具体的なタスクや大変さは分かりません。

おちば

僕は実際に育休を取得して1ヶ月程度で育児家事の全体像が分かるようになりました。

最初は大変でしたが、育休が終わったあとから、家事育児をうまく分担できるようになりました。

育休取得して数年を経た今も、その経験は活きています。

家事育児の全体像がわかり、育休が終わったあともその経験が活きる

④自分と向き合う時間ができる

育児は忙しいとはいえ、自分と向き合う時間」は凄く長くなります。

乳幼児はまだ会話がままらないので、頭の中で色々と考えごとをしながら作業をしていくからです。

おちば

病院で毎日朝から晩まで仕事ばかりのハードワーカーの医師にとって、頭を空っぽにできる育休期間はとても貴重ですね。

育休中は、少ないながらも(育児休業給付金という)収入はあるけど、仕事はしてない、という不思議な状態が経験できます。

例えるなら、いま流行りの「FIRE」(=経済的自立し仕事をリタイアした状態)に似た状況ですね。

平日の昼間に近所のスーパーに行ったりするだけでも、とても新鮮です。

いかに普段、病院で忙しく働いていたかが分かりました。

環境が変わることで、確実に視野が広がります。

  • 自分の人生が今後、仕事だけで塗りつぶされていって、本当にいいのか
  • 他に自分にはやりたいことがあるのか
  • もし仕事以外にやりたいことがあるなら、そのために今できることは何か

・・・などなど、自分の人生について考える機会になりました・・・

その結果、新しいことに挑戦したりする良い機会になります。

おちば

ちなみに僕は、育休中にこのブログをつくりました。いまもこうしてブログを更新できているのは、育休中にまとまった時間があったおかげです。

ほかにも、副業に挑戦したり、資格に挑戦したりする人も多いですね。

逆に、とことんのんびり過ごすのもそれはそれで正解だと思います。

いずれにせよ、育児家事に支障がない範囲でこれまでしなかった経験ができればいいですね。

自分と向き合う時間ができ、新しいことに挑戦できる

⑤パパイヤを避けられる

パパイヤの無料写真

産後はママと基本的に一緒にいることが多いため、育休を取らなければ、父親と子の接触時間は相対的に少なくなります。

そうなると、子どもにとってはパパイヤ状態(=パパはイヤだ、ママが良い)になりがちです。

こういった態度を子どもに取られると、

専攻医

ツラい・・・育児は俺なんかに向いていない。仕事しよう。

と、その後の育児で父親として主体的に育児へ参画しにくくなります。

出産以降、ハードな育児で精神的に追い詰められている奥さんが助けを求めても、パパイヤを理由にお世話が出来なければ、奥さんからの評価は急降下・・・なんてことにもなりかねません。

しかし、育児は決して女性にしかできないものではありません。

否が応でも育児はできるようになります。(授乳は除く)

育児休業を取得することで、父親もフラットに育児に参加できるので、子どもからの「父親に対しての嫌悪」みたいなものは経験せずに済みます。

子どもからの愛着は、育休取得前より確実に深くなったようにも思います。

パパイヤを避け、育児が楽しめるようになる。苦手意識がなくなる。

まとめ

男性医師が育休を取得するメリット

①キャリアを気にせず、育児ができる

②夫婦関係が良くなる

③家事育児の全体像がわかる

④自分と向き合う時間ができる

⑤パパイヤを避けられる

あくまで僕の個人的な考えですが、医師の仕事は(形はどうであれ)いつでもできます。

一方で、幼いわが子との時間は、一度通り過ぎると一生戻って来ません。

家族との時間を大切にしたい方、育休を取得できそうな職場にいる方は、ぜひ取得することをオススメします。

※もし「育休を取る」という行為だけを理由に、辺鄙な病院へ左遷されたり待遇を悪くされる医局なのであれば、そんな医局はやめてしまったほうが良いかもです…。(辞めにくいのは百も承知ですが・・・)

今の世の中、医師免許さえあれば、転職しても職場はどこにでもあります。

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この記事を書いた人

アラサーの男性医師。内科専門医/透析専門医/腎臓専門医。
腎臓内科医として市中病院で勤務しつつ、フルタイム妻と一緒に実家遠方子育て中。(育児休業後)
忙し過ぎる若手医師向けに、医師のキャリア・専門医試験/レポート対策・仕事のコツ・医学の勉強などお役立ち情報を発信しています。
医師として頑張りたい、けれど家庭やプライベートも同じくらい大切にしたい!
そんな人の力になれたら嬉しいです。
趣味は音楽、読書、公園巡り。

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