
週4勤務っていいなー。楽そうだなあ。



平日は仕事、週末は育児で大変・・・週休3日くらいのほうが良い人生な気がする。
こんな方のための記事です。
「週4勤務」「週休3日」って、一度は誰もが憧れる働き方かと思います。
ただ、医師として病院で働くうえで、週3休みがどのくらい現実的か、また実際に働いた感じがどうなのか?という疑問を持つ人も多いはず。
そこで、今回は、週4勤務+スポットバイト(ときどき休みにして週休3日)にしたおちばが、
「週4勤務でハッピーライフ…かと思いきや、けっこう病んでしまった」
という体験談(失敗談)を掘り下げてみようと思います。
あんまり失敗談を書く人ってネット上で少ない気もするので、参考になれば幸いです!
・週4勤務に興味がある
・週3休日での働き方を考えている
・転職を考えている



それでは、いってみましょう〜
①週4勤務(+スポットバイト)を選んだ背景


昨今、「仕事に縛られず、自分の“好き”を大切にする生き方を!」という時流がありますよね。
自分も例に漏れず、週4勤務に超憧れていた人間でした。
え、だって平日に働いて、週末に子どものお世話で働いて、休める時ほぼない中で、1日フリーな日ができるんですよ?最高ですよね??
海外でも週4でも経済的な効率があんまり変わらなかったみたいな報告もあるし、ええやんええやん!


働きたければ、自分の都合のあうようにスポットバイトを入れればいいし!
…という感じで、医局をやめるタイミングで「週4勤務」の常勤求人を探すことにしました。
②週4勤務の求人はあるか?
知っている方が多いか少ないかわかりませんが、意外にも医師の週4勤務の求人は多いんです。
細かい条件(地域、時短勤務かフルタイムか、当直オンコールの有無、給料、土曜勤務の有無)によってバラつきはありますが、少なくとも「暮らしていけない」という給料レベルになることはまずありません。
もちろん、自分のやりたい仕事がどれくらいできるかどうかは職場によって変わってきますが、
僕の場合は
- 急性期病院であること
- 定時に帰れること
- 当直・オンコールがないこと
などを優先して求人を探しました。結果として、給与は安めですが3〜4件ほど求人がありました。



転職当時は内科専門医しか資格を持っていなかったが、それでも十分すぎる選択肢があったと感じてます。
育児世代の医師は、本気で育児時間をふやそうと思えば働き方を調整できるんだなあと感じました。
③週4常勤+スポットバイト、始めてみた
ということで、おちばも週4で働くことに。
どこに週1休みを入れるかは悩ましいところですが、連休を作れることを考慮し、週の端っこである月曜休みを作ることに。(ちなみに、これはマネしないでください。週4勤務するなら金曜を絶対に休みにしておくべきです。が、これはまた別記事でお話します)
4月に入職した当初、週4常勤+バイト生活はとても新鮮でした。
まず、基本的にホワイトです。
大学病院でも週4+週1外勤という働き方をしていたけれど、全く似て非なるもので、給与は全然良いし、毎週申し送り地獄になったり、バイト後に大学病院に帰る(涙)といった働き方もしなくてよく、時間外労働もありません。まったくの別物です。
週1のスポットバイトをいろんな病院で入れていくのも面白かったです。
自分の使っていたサイトはこちら。
自分の気分によってバイト先を選び、いろんな病院に勤務できる。スポットを入れてもいいし、休みにしてものんびりできる。
ゆるく働きたいならおすすめはクリニックや診療所の一般内科外来です。内科外来では、健診をしたり、比較的軽症の患者さんの対応をします。
ちょっと忙しくてもよいのなら、大きめの急性期病院の内科外来もやってみると面白いかもしれません。救急外来で前日に受診し翌日に内科外来に来た患者さんを診たりと、いろいろ経験できました。
あとは腎臓内科としてのスキルを活かすという意味で透析バイトもしていました。他の病院ではどんな感じで薬を処方しているのかな…と、常勤の先生の処方を参考にさせてもらったりして勉強もできました。
見学に行き、実際に働き方を知ることができる。しかもお金ももらえる。なかなかおもしろい経験です。



スポットで働く病院の中には「定期非常勤(毎週の週1勤務)で来るのはどう?」と勧められることもありましたが、当初はスポットで働き続けるつもりだったので丁重にお断りしました。スポットバイトを定期非常勤の就職先探しとして使うのは一つの選択肢ですね。
④しかし…週4勤務で病みはじめた


しかし、順風満帆…かと思われた生活も、日が経つにつれて、だんだんしんどく感じてきました。
理由①繰り返すスポットバイト探しが面倒
まず、スポットバイトを入れていく作業が面倒になってきます。
スポットバイトは毎回申し込みが必要で、採用されるかどうかは返事が来るまでわかりません。特に、条件の良い(立地が良い、比較的ラクと言われる透析、給与の高い)求人はすぐに埋まってしまいます。どこにそんなに医者がいるんやろ?みたいな。たぶん毎日のように求人をチェックしているんでしょうね…
あぶれたスポットバイトになった結果、遠方まで電車で通勤したこともあります。往復3-4時間かかった病院で、行きも帰りも、かなり憂鬱でした…
また、条件的に「ここは良かった!また来てもいいな」と思えるスポット先があっても、2〜3ヶ月で定期非常勤の医師が決まり、スポット求人がなくなる事が多かったです。
よくよく考えると、スポットで働く病院の中には「定期非常勤(毎週の週1勤務)で来るのはどう?」と勧められることも多かったです。そりゃそうですよね、病院からすると、スポットバイト頼りの状態って健全ではないので…。
理由②「ひとりの平日休み」の時間を有意義に使えない
スポットバイトがしんどいなら、いっそのことゆっくり休んでいれば?と思うかもしれません。
スポットがない日はない日でのんびりできるし、それはそれで良いかな〜と思っていたんですが…
ひとりで過ごす1日は意外としんどいのです…!!!
妻は仕事に行き、子は保育園に行き、自分は家にいる状況。当直明けとかなら「昨日働いたし、のんびりすっかー!」と気持ちを切り替えられるかもですが、自分は時間を大事に使わなきゃ!と、ブログを書いたり、論文を読んだりと勉強したりと、自分にプラスになりそうなこと、やりたいことをやろうとするんですが、どうにも集中できません。
仕事は忙しいやつに頼め、みたいな名言がありますよね。あれの逆の状態です。
人間は、時間があればあるほど成果が増えるわけではなく、残り時間があればあるほど仕事の効率を落としてしまうといいますよね。(これを心理学では「パーキンソンの法則」というみたいです。)
まあ、仕事をする日ではなく、「完全に休む日」と切り替えることができる人なら良かったかもしれないですが、1日中楽しめる趣味があったり、大好きなことがあれば充実できるんでしょうけどね…平凡な自分は難しかったです🤔
理由③「ひとりの平日休み」は人と話せない
もう一つ、自分の苦しかったポイントとして、「人と話せなかったこと」があります。
それまで自分は気づいていなかったんですが、人間には「人と話すのが苦痛な人」と「人と話さないのが苦痛な人」。僕は後者でした。いや、どんだけ寂しがり屋やねんって自分に自分で突っ込みたくなるレベル。寂しすぎてしんどいって、ウサギみたいですよね…
休日が他の人と同じタイミングであることって、意外に大事らしいです。たとえば、旧ソ連では1930年頃に国民全員を週5日制にして、休日が他の人と かぶらないようにしたという時期があったようです。(「ネプレリョフカ(連続労働週)」っていう制度らしいです)。結果としては大失敗で、休日にみんな家族や友人と遊んだり話したりできないせいで孤立する人間がめちゃくちゃ増えたらしい。結局数年でその制度は廃止となったよう。当時のソ連の人たちの気持ち、今のウサギモードの自分ならめっちゃわかります。たぶん。
とにかく、自分は「人と話さないとストレスが溜まるタイプ」であることを知れたのは、良い経験でした。
病院はいろんな人と話す場ですが、医療者同士の雑談はもちろん、病棟で患者さんと話すのも含め結構好きだったんだな、と気づきました。
同時に、自分はFIRE、つまり経済的独立をして仕事をしない状態は向いていないのかも…と感じました。(少なくとも今の時点では。40歳、50歳くらいになったらどう考えるかは分からないけれど…。)
⑤週4勤務+週1定期非常勤に落ち着く
結局、週4勤務+スポットは自分に向いていないと判断。期中で週1の定期非常勤求人に応募し、現在はそこで週1回定期非常勤で働かせてもらっています。
週1での定期非常勤は訪問診療をしています。というのも、自分は総合診療にもともと興味があったのと、訪問診療について教育的な部分に力をいれている病院で学びたかったからです。
やはり定期非常勤になると給与面も安定しますし、同じ患者さんを定期的に診察することで得られる経験値みたいなものもあるので、やっていて良かったなーと感じます。
もちろん、ときどき「仕事に行くのしんどいな〜」と思うこともあるけれど、自分の精神衛生上、働いたほうがラクだと知っているので…心地よい労働の疲れを日々味わって生活しています。笑
また、人と接する時間の重要性をあらためて感じたこともあり、ここ最近、他の医師と対談するPodcastも始めました。


これが本当に楽しくて!!我ながら初めて大正解だったなーと思います。
いろんな医師がいろんな思いを持ちながら生きてるっていう、当たり前ではあるものの大事なことをしみじみと感じられる番組になっております。まだ初めて日が浅いですが、今後も定期的にアップしていこうと思っていますので、お暇なときに聞いてもらえると嬉しいです!
結論:週4常勤+定期非常勤が良さげ
週4勤務(週休3日)はすべての人に向いている働き方ではないと感じました。これは個人差があるかと思いますが、めちゃくちゃやりたい趣味があったり、人と話すのがしんどい、という人には向いているかもしれません。
スポットバイトはあくまで定期非常勤へのツナギとしての役割と考えるのが良さそうです。いろんな病院に行って働き方を知れるのは良い1面だと思います。
が、(僕の浅い経験からの推測にはなりますが)多くの方に向いているのは、週4勤務+週1定期非常勤だと思います…!
医局をやめて転職活動をする際は、週4常勤を探すと同時並行で、定期非常勤も探してみましょう〜!



転職を検討している方の参考になれば幸いです!
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結婚出産を契機にライフステージが大きく変わることがあります。
僕の場合は、忙しすぎる急性期病院+時間外勤務の嵐+育児という超ハードモードだった時期を経て、
★家族や大切な友人との充実した時間を最大化しつつ、
★ゆとりのある職場で働いて生活の基盤を固めながら多方面の挑戦をする
の2点を大切にしていきたいと考え、専門医の取得のタイミングで医局をやめて転職しました。
結論、やめたことに全く後悔はありません。(病みかけとるやんけ!というツッコミが入るかもしれませんが笑、こういう経験ができたことも含め、なにか問題があると感じたら、自分の選択した道を自分の判断で修正できるのが医局フリーの良いところです。)
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
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