子どもの寝かしつけって、いつも時間が取られるなあ。なにか寝かしつけしながらでも聞ける、日常診療で役に立つ感じのラジオとかYoutube動画とかないかな。
ランニング中や通勤中に、聞くだけで勉強になるような便利な番組あればなあ…
こんな人のための記事です。
医師として働く以上、知識をアップデートすることは避けては通れません。
しかし、日常診療でいそがしかったり、自宅で子どものお世話や寝かしつけがあったりと、なかなかまとまった時間を取るのは難しいですよね。
生涯学習のためのツールは、日々進化しています。
ということで、今回は
●聞くだけで勉強になる
●マニアックすぎない
●信頼できるし面白い
そんな素敵な内容の番組を紹介します!
①循環器の先生の「ジャーナルクラブオンライン」(YouTube)
1つ目は、「ジャーナルクラブオンライン」です。
・循環器内科の先生によるYouTubeの番組
・最新の循環器疾患論文を、その背景を含めてプレゼンテーション、後半は参加者でディスカッション
・ときどき筆頭著者ご本人が参加(!)
・2024/6現在のチャンネル登録者は1.56万人、再生数:164万回とけっこう人気
・動画本数:915本とコンテンツ多い
最新の循環器領域の論文を、複数人の先生が抄読会(ジャーナルクラブ)をZoomでしている動画です。
循環器内科の抄読会にこっそりしのびこんで話を聞けているような感じです。
百戦錬磨の循環器の先生方の本音が聞けて非常に勉強になります!
プレゼンの途中にも遠慮なく質問が入るし、論文紹介したあとに後半にディスカッションの時間もしっかり取られてるので、ひとりで論文読むだけではえられない知見が増えるのが魅力です!
また、なにがすごいって、論文の著者ご本人(!!)がお話してくれることがあるという点です。海外に留学して有名な病院にて第一線で論文を書いている人の意見が聴けるのは貴重です。
(無料なのが信じられない…)
ただの抄読会では味わえない、筆者の本音を交えたディスカッションにきっとワクワクすること間違いなしです!
心不全や高血圧、心房細動など、循環器領域は非専門医でも見なきゃいけない疾患がたくさんあるからほんとに助かる!
SGLT2阻害薬関連やARNI、MRAなど、新しい薬の使い方のリアルを知れるのも楽しいです。
※腎臓内科目線での話にはなりますが、fantastic4など循環器の心保護薬は、腎臓内科的にも押さえておくことがマストな一方、腎臓内科と循環器内科だとみてる患者層や考えてることが異なることがあるため、 循環器の視点の解説があるのは貴重です。
②スキマ時間で医療統計「スキマル」
2つめは、スキマで医療統計/スキマルチャンネルです。
・医師向けサイト「エビカツ横丁」というブログの「エビデンスおばさん」先生が、統計に詳しい「統計おじさん」先生とコラボして作られたyoutube
・論文を読むうえで外せない基礎的かつ重要な知識を、例を挙げながら解説
・10-15分程度の「スキマ時間に」聴ける長さのコンテンツが多い
・さまざまな論文の手法をとりあげつつも、臨床研究が完璧なものではないことにも言及。「論文が絶対だ!と考えるのは危険であること(=「エビデンスとの距離の取り方」)も説明している。
医師が生涯学習をする上で、「英語論文を読み解く力は重要だ」というのは、医師として働いているとなんとなく感じますよね。
英語論文を読むのが重要なのは、英語文献を引用するのがただなんとなくカッコいいというだけではなく、
★それがどんな患者背景に対してどんなプロトコルで研究された論文なのか
を知るには一次文献を読む必要があるからです。
これ、ケアネットで読んだんだよねー
という医師より
これ、FLOW試験っていうNEJMに載ってたRCTなんだよねー
みたいに引用元もおさえておくほうが説得力あります。(当たり前)
しかし、大学院に進まなかったり、周りに教えてもらえる環境でない場合、統計をしっかり学べる機会は少ないです。
そんな統計がニガテすぎる(僕のような)医師が、「p値とは何か」「95%CIとは何か」など、基本的なことからわかりやすく勉強するのにもってこいなのがこのチャンネルです。
統計を教えてくれる系Youtubeは割とあるんですが、医学論文に特化しているものは少ないので貴重です。
動画だと、本で読むよりもさらに頭に入ってきやすいです。
おすすめはこちら!
個人的に、動画のクオリティ高いのにそこまで再生回数が伸びてないのが謎です。(時間とお金結構かかってそう)
最近の更新がされていないのですが、続編に期待してます!!
③長澤先生の腎臓内科ラジオ(note)
3つめは、長澤先生の「腎臓内科ラジオ」です。
・最新の腎臓論文やトピックを腎臓専門医の長澤先生が解説
・ひとつひとつのコンテンツは5-10分程度と短いので聴きやすい
・論文の注意点や、実際の患者さんへの指導のしかた、キャリアの形成のしかたなど、幅広い
長澤先生は、腎臓内科界隈では有名な、仙台の腎臓内科の先生です。
長澤先生の医学書については過去記事でもおすすめしたことはありますが、エビデンスをただただ羅列した情報の羅列ではなく、「実戦で使える」という点を重視された書が多いです。
そんな長澤先生が2024年5月に始められたラジオは、1話1話は短いが、大切なポイントがギュギュッとまとまっているラジオ番組になっています。
話題になってる論文の注意点や、高カリウム血症の食事指導のしかたなど、ワンポイントで説明。
参考書でもそうですが、エビデンスでは語れないグレーゾーンみたいな話に切り込んでくれるのが推せます。
おすすめはこちら
なお、長澤先生の参考書については過去記事でも解説してるので参照ください。
最近のmedicinaの寄稿でのフロセミドのリアルな使い方、輸液水電解質ドリルの低ナトリウム血症の鑑別、「定跡」シリーズのリン吸着薬や従来のエビデンスのない治療への歯に衣着せぬ批判など、気になる方は要チェックだよ!
まとめ
一昔とは異なり、勉強や臨床で使えるツールはどんどん増えていっています。
使えるコンテンツはどんどん使って、自分の臨床能力のアップデートを心がけていきたいですね✊
みなさんもオススメの番組があれば、コメント欄やDMで教えていただけたら嬉しいです!
おまけ:audibleやPodcastも
ラジオ系が好きな方は、audibleもオススメです。
audibleは、本をまるごと聴けるというAmazonのサービスです。
有名な本が結構たくさん聴き放題になっているので、自分もよく使っています。小説や物語といったストーリー性のあるものを聞くのに適していると感じます。(自己啓発系とか実用書は聞いてて眠くなってしまうので…)
字で読むのが大変な分厚い本でも、audibleを使えばあっという間に聴けますよ。
2024年7月まで、3ヶ月無料キャンペーンやってるみたいですので、まだの方はぜひ。
「同士少女よ、敵を討て」という小説が、audibleならではの迫力あるナレーションだったのでオススメです。
■おすすめのイヤホン
寝かしつけ、ランニング、通勤などで使うイヤホンは、AirPods一択です。
最新のAirPods Proは第2世代まで出ています。
「ポン」という音の後に周りのノイズがすべてなくなる(ノイズキャンセリング)による没入感は、最高です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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